情報・システム研究機構 国立情報学研究所 (NII)は、ライフログを活用したAndroid OS搭載スマートフォン向けの学術研究用アプリケーション「人間関係向上計画」を4月8日に公開した。Google Playからダウンロードして利用できる。
「人間関係向上計画」は、社会科学における社会関係資本論をベースに、情報通信技術を活用して豊かな人間関係と活力ある社会を実現することを目的としているという。同アプリでは、通話、SMSおよびGmail(オプションでの選択)のやり取りを、不可逆な暗号処理をして収集し、これらのデータからやり取りの頻度、関係の強さといった視点でユーザの人間関係を可視化。人間関係向上のきっかけを提供するというもの。
「人間関係向上計画」アプリ画面 |
アプリを利用する際は、最初にデータ収集に関しての6つの項目に同意する必要がある。あとは普段通りに携帯電話を使用すればよい。このほか、用意されたアンケートに回答することで他ユーザーとの回答傾向比較を見ることができるようになっている。
表示される人間関係の可視化では、絆の強さと距離を画面に表示するようになっている。また、過去から現在までの関係の変遷をアニメーションで確認することもできるほか、電話帳の名前から選択した人との連絡頻度の推移を見ることも可能。
同研究は日米を中心とした国際比較研究の一部として、すでに行われた予備実験では1000名程度のデータを収集。今回の公開では、日本において2000名の利用を目指すとしている。なお、収集されたデータは不可逆な暗号処理がされ、ユーザ自身のデータや相手のデータが特定されることはないとされており、また通話内容やメール本文などの記録はとっていないという。