ルネサス エレクトロニクスは4月6日、自動車のヘッドランプ、フォグランプなどの外装系ランプやシートヒータ、ボディ用モータ向けの駆動用パワーIC「μPD166023」など14品種を発表した。

同製品は、スイッチ用のパワーMOSFETと過熱・過電流などに対する各種保護機能および自己診断出力機能を実現する制御回路を1パッケージもしくは1チップ化したもの。今回、ユーザーが制御ユニットの様々な負荷や用途に合わせた製品が選択できるように、オン抵抗(電力損失)が6~90mΩ品の14品種をラインアップ。同一パッケージの製品では、機能やパッケージピン配置の互換性を持たせてあるという。特に、過熱や負荷ショートなどの異常を検出した際、制御ユニットのマイコンに異常を知らせる信号出力を同一のものを採用しており、オン抵抗の異なる製品に変更した場合も、マイコンがこの信号を処理するためのソフトウェア(プログラム)の変更を最小限にとどめることができる。これにより、制御ユニットの開発期間短縮や品種展開などに寄与するとしている。さらに、より高精度な過熱検出が可能な保護機能(パワーリミテーション機能)も新たに追加しており、高い保護機能をさらに向上させている。

パッケージは、6/8/10/12mΩの4品種に7ピンTO252を採用した。従来製品は5ピンだったが、7ピンに増やし、制御ユニットのマイコンに直接接続を実現させた。これにより、部品点数削減によるシステムの開発期間の短縮やコスト低減が図れるという。この他、12ピン高放熱HSSOPが6品種、24ピン高放熱HSSOPが4品種ある。また、今回の14品種は、機能(主に自己診断出力関連)やピン配置の互換性がある。中でも、幅広いオン抵抗の範囲(6~12mΩおよび12~90mΩ)での互換性を持たせ、利便性を大きく向上させた。これにより、ユニットの開発期間中、あるいは量産済みユニットのマイナーチェンジの際に、オン抵抗の異なる製品の使用することになった場合でも置き換えが容易になったという。

なお、同製品群の量産は2013年3月より順次開始し、2014年9月以降は14品種合わせて月産700万個を計画しているという。サンプル価格は、12mΩ、12ピンHSSOPの「μPD166023」が100円。ルネサスでは、市場動向を踏まえてオン抵抗(電力損失)のバリエーションを増加させ、ラインアップ数を20品種まで拡張させる計画とコメントしている。

ルネサスの自動車向け駆動用パワーIC