ロボット開発メーカーのピルクスは新製品として、ロボットへの搭載も可能な小型組み込みボード「μPZ-1(マイクロピーゼットワン)」と、マイコンやロボットコントロールボードに接続することで無線USBゲームパッドを利用できるようになる無線ゲームパッドアダプタ「PGB-001」を発表した。すでにμPZ-1は予約の受け付けを開始しており、発売は5月下旬を予定。PGB-001は5月中の発売を予定している。

μPZ-1(画像1・2)は、80mm×54mmという名刺サイズ以下の小型設計と、広範囲な用途に適用可能な性能を両立している点が特徴。グラフィックアクセラレータとして「SGX530」を搭載したARM Cortex-A8コアベースのTexas Instruments(TI)製プロセッサ「Sitara AM3894」を採用することで、多様なニーズへの対応を果たしている。さらに、約600ピンの豊富な拡張コネクタを利用することで、PCI Express(PCIe)、Ethernet、SATAなどのさまざまなインタフェースを使用することが可能だ。

想定活用シーンとしては、冒頭で述べたロボットへの搭載のほかに、キオスク端末、遠隔監視や制御、ホームサーバ、M2M多目的端末などとなっている。価格はオープンだが、予想される店頭での実売価格は15万円前後。スペックは以下の通りだ。

スペック

  • 名称:μPZ-1
  • 型番:PZ-1000
  • CPU:TI社製AM3894(ARM Cortex-A8) 1.2GHz
  • メモリ:DDR2-SDRAM 256MB
  • フラッシュメモリ:512MB
  • グラフィックアクセラレータ:SGX530
  • 周辺機能:UART×3、SPI、I2C×2、PCIe(2.0)×2lanes、SATA(3Gbps)×2、SD/SDIO、USB2.0×2、Ethernet 10/100/1G(GMII、MII)×2、McASP、GPIO、DVI、JTAG、そのほか
  • 拡張コネクタ:合計596ピン(電源含む)
  • サイズ:80mm×54mm(突起物含まず)
  • 電源電圧:DC5V
  • 対応OS:Android、Linux
  • 製品構成:製品本体、マニュアル、SDカード(マニュアルなどを収納)
  • 価格:オープン(予想される店頭での実売価格は、15万円前後)
  • 発売時期:2012年5月下旬

画像1。μPZ-1の表面

画像2。μPZ-1の裏面

そしてもう1つの無線ゲームパッドアダプタのPGB-001。こちらは、冒頭で述べたように、マイコンやロボットコントロールボードと接続することで、ゲームパッドで無線操縦できるようになるアダプタだ。

これまで、市販のUSB無線ゲームパッドを使用する場合、OSで動作する組込みボードを必要とすることが多かったが、PGB-001を搭載することにより、直接ゲームパッドの指令をマイコンやロボットコントロールボードへ送信できるようになるのが特徴。

低速シリアルポートによる出力が可能なので、近藤科学社製のホビー用2足歩行ロボットのコントロールボード「RCB」シリーズにも接続することができ、近藤科学製の2足歩行ロボット「KHR-2HV」や「KHR-3HV」を操縦することができる。

また、対応している無線ゲームパッドは、ロジクール社製「Wireless Gamepad F710」だ。

こちらも小型設計が特徴で、500円硬貨より一回り大きい程度の、25mm×30mmサイズのため、スペースを取らない。また、重さも市販無線ゲームパッドのUSB受信機を含めて約8g(ケーブルを除く)と軽量な点が特徴となっている。

発売時期は5月中を予定しており、価格は8400円(税込)となっている。スペックは以下の通り。

スペック

  • 製品名:PGB-001
  • サイズ:25mm×30mm
  • 重量:約6g
  • 対応コントロールボード:RCB-3J(RXモードのみ)、RCB-3HV(RCモードのみ)
  • 対応無線ゲームパッド:Wireless Gamepad F710
  • 対応電圧:5V
  • インタフェース:UART、SPI、低速シリアルポート
  • セット内:製品本体、ZH接続ケーブル100mm×1本、取り付けベース
  • 標準価格:8400円(税込)
  • 発売時期:2012年5月

画像3。PGB-001