米Googleがメガネ型のウエアラブル端末を開発する「Project Glass」を明らかにした。長期的な研究プロジェクトを手がけるラボ・チームGoogle Xによって開発が進められている。公開されたコンセプト動画では、ヘッドマウントディスプレイを通じて見るリアルな世界と、Googleの各種Webサービスを結びつける拡張現実(AR)コンセプトが示されている。
Project GlassのGoogle+ページに掲載されている画像では、初期のプロトタイプはラップアラウンド型のデザインで、目全体を覆うレンズはなく、右目側の一部に小型のディスプレイを備える。New York TimesのNick Bilton氏によると、様々なスタイルが試作されており、中には普通のメガネの上に着用できるものもあるという。
コンセプト動画では、ニューヨーカーの一日が描かれている。Glassを装着するとスケジュールや天気の情報が表示され、音声コマンドでテキストメッセージに対応。街に出て 地下鉄の駅に降りようとすると「運休中です」というアラートが表示され、すかさず徒歩ルートを検索。ナビゲーションに導かれて本屋に向かう途中、気になるライブの告知ポスターを見つけたので、音声コマンドでチケットを検索……という感じだ。ユーザーインターフェイスは非常にシンプルで、また昨年からGoogleがサービス全体で統一を進めている最新のユーザーインターフェイスのデザイン要素を備える。
Project Glassのプロトタイプを実際に使用した人物を取材したというBilton氏によると、あまりにも多くの情報が継続的に流れてくるため、現段階では普段の生活の邪魔になると語っていたという。ただし、例えばメガネの上のボタンを押すだけで見たものの写真を撮れるなど、テクノロジーを身につけて持ち出せる端末であることを認めていたという。
Googleは今回、コンセプトや機能、デザインについて広く意見を募るためにProject Glassを公にした。開発者向けのベータ提供や製品化については明らかにしていない。
Bilton氏は今年2月、Googleのメガネ型端末開発を報じた時に、プロジェクトに詳しいGoogle社員の「スマートフォンと同程度の価格で年内に一般販売が始まる」というコメントを紹介していた。しかしながら、WIREDのシニアライターであるSteven Levy氏はEpicenterで「今のところGlassは製品というよりもコンセプトであり、Googleのテストは進んでいるが、パブリックベータには程遠い」と指摘している。