アールティ(RT)は4月9日から、同社が主力製品として販売している1m大の2足歩行ロボット「RIC」シリーズの新製品として、上半身のみの「RIC Torso(リックトルソ)」(画像1)の販売を開始する。
RIC Torsoは、小学生低学年(6~7歳)の上半身の体格をモデルにした上半身ロボットだ。自由度数は全体で合計21軸。重量は5.5kgと持ち運びも考慮された軽量設計となっている。
片腕7軸のロボットアームを左右に備えており、どちらの先端にも把持機能のあるエンドエフェクタ(1自由度)を装備。持ち上げ降ろしなどの作業などもこなすことが可能だ(画像2)。
Windows PCを標準搭載しており、ストレージとしてSSDカードを利用しているので素早く起動でき、なおかつ対ショック性も高い。C言語用動作APIとサンプルソースが付属しており、また各関節も動作教示も行える設計だ。それから、RICシリーズらしく、着ぐるみを着せることも可能だ。関節部も着ぐるみを着せることが前提なので、巻き込み防止などを考慮した作りとなっている。
特徴として頭部に、テックウインド製モーションキャプチャデバイス開発キット「Xtion Pro Live」のセンサ本体(深度センサ、RGBカメラ(イメージセンサ)、マイクロフォンを装備)を採用しており(画像3)、モノマネなども簡単にこなせ、インタラクションの研究などにも利用できる(画像4、動画1)。
画像2。エンドエフェクタ。把持機能があり、500mlペットボトルやアルミ缶など、円筒形で軽めのモノなら掴むことが可能 |
画像3。Xtion Pro Liveを頭部として搭載。いわゆる、マイクロソフトのゲーム機Xbox 360の周辺機器Kinectと同じコンセプトの機器で、深度センサ、RGBカメラ、マイクロフォンなどを備える |
価格は189万円(税込)。販売は、同社の直販のみでの取り扱いとなる。なお、センサの追加や台車の装着などオプションでさまざまな拡張も可能だ。スペックは以下の通り。
- モータ仕様(各関節軸:45kgf・cm/左右肩ピッチ軸:90kgf・cm/腰ピッチ軸:180kgf・cm/角度センサ:ポテンショ(指令精度0.1度))
- ロボットとの通信方式:RS485
- 身長/肩幅/腕長:560mm/352mm/440mm
- 重量:5.5kg
- 自由度:21軸(首3、腰2、腕7×2、手1×2)
- センサ:Xtion Pro Live(深度センサ、RGBカメラ(イメージセンサ)、マイクロフォン)
- 電源:外部電源付 12V32A定格出力
- 開発環境:Microsoft Visual Studio
- サンプルソフト付き:専用API
- 制御用PC(CPU:Intel Core i5/OS:Windows7 Home premium 64bit/メモリ:4GB/ストレージ:SSD64GB/消費電力:最大90W(入力電圧20V)/ポート種類:USB2.0×2、USB3.0×2、COMポート×1、LAN×1、DHV×1、スピーカーアウト×1、そのほか)
- 無線LAN:USB無線LAN 11n/g/b(USB2.0のポートを1つ占有)
- 価格:189万円(税込)
また、同社が4月2日から発売を開始したのが、Androidスマートフォン用ロボット雲台の「RT-CAMHEAD」だ(画像5・6)。スマートフォンを取り付けて、カメラやディスプレイとしてその向きを自由自在に操れるロボット技術を活用した製品である。
サーボモータを2個備えており、AndroidのOpen Accessory Development Kitに対応した同社のボード「RT-ADK mini」(画像7)を通じて、スマートフォンからUSBバスパワー程度の電源で操作することが可能だ。Androidスマートフォンを使って実世界対応アプリケーションの製作などに向いた内容となっている。
Android OSのバージョンは2.3.4または3.1以降で、価格は4万2000円。販売は同社のWebショップなどのほか、技術サービス対応可能な特約代理店で扱う。スペックは以下の通り。
- サイズ:幅98mm×奥行き17mm×高さ185mm
- 重量:約190g(電源、スマートフォンを除く)
- 自由度:2軸
- 入力電源:5V 500mA以内(USBバスパワー供給量以内)
- ADK:RT-ADK mini RT-CAMHEAD用ファームウェアをプリインストール済み
- 開発環境 端末:USB Accsessory Mode搭載Android 2.3.4、または3.1以降対応端末を使用 Javaサンプルソースをダウンロード配布(Android SDK、ADKを使用)