LSIは、PCI Express(PCIe)フラッシュ・テクノロジーと、インテリジェント・キャッシング、ならびにマネジメント・ソフトウェアで構成される、データセンター(DC)やクラウド環境のパフォーマンスを高めることができる「Nytro(ナイトロ)ソリューション」を発表した。
Nytroシリーズは主に4製品で構成される。1つ目は「LSI Nytro WarpDriveアプリケーション・アクセラレーション・カード」。Nytro WarpDriveは複雑な設定なしに高い性能と低いレイテンシを実現する第2世代のPCIe接続フラッシュ・アダプタ製品で、アプリケーションのトランザクション性能を加速し、レスポンス・タイムを短縮することが可能。
MLCまたはSLCフラッシュ・メモリを搭載しており200GBから3.2TBまでの容量が選択可能なほか、LSI SandForceフラッシュ・ストレージ・プロセッサと、LSI SASコントローラICを組み合わせた構成となっており、1枚のNytro WarpDriveカードで、数百台のHDDに相当するI/Oトランザクション性能を実現しつつ、消費電力の低減や冷却効率の改善、接地面積の低減などを可能としている。
2つ目は「LSI Nytro XD アプリケーション・アクセラレーション・ストレージ・ソリューション」で、Nytro WarpDriveカードとNytro XDインテリジェント・キャッシング・ソフトウェアを組み合わせたもの。これにより、ストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)およびダイレクト・アタッチド・ストレージ(DAS)環境におけるアプリケーション処理速度を向上させることが可能となる。
Nytro XDソリューションは、アクセス頻度の高いリード/ライト・データをPCIeフラッシュ・ストレージに自動的にキャッシュしレイテンシを低減させ、HDDのみで構成されたストレージ・システムと比較して最大30倍の性能を実現することが可能だ。
3つ目は「LSI Nytro MegaRAIDアプリケーション・アクセラレーション・カード」で、従来のMegaRAIDの性能とデータ保護機能に、オンボード・フラッシュとインテリジェントなキャッシング・ソフトウェアを組み合わせたことで、SAS HDDが接続されたDASストレージをシンプルかつ低コストで高速化することができるようになっている。
そして4つ目は「LSI Nytro Predictorソフトウェア・ツール」で、アクセス頻度の高いデータを解析し、アプリケーション固有の要件に最適なLSI Nytro製品を推奨することで、ITマネージャやデータベース管理者がどのアプリケーションを高速化できるかを簡単に判断することが可能となる。
なお、Nytroソリューションは現在OEMユーザ向けにサンプル出荷中で、2012年第2四半期より同社のチャネル・ネットワークを通じてエンド・ユーザ向けに販売を開始する予定だという。