ラピスセミコンダクタは4月2日、家電向けマイコンと音声再生機能を1チップ化した「ML610Q380」シリーズ4品種を発表した。
従来、家電向けマイコン製品には音声再生機能がないため、音声機能を追加する際には、音声合成機能やスピーカアンプを別チップで構成する必要があった。同製品を使用することで、1チップ化できるとともに、これまでの家電向けマイコンの置き換え、音声機能の付加が簡単に実現できる。用途では、音声出力を必要とする家電機器やリモコンなどに最適という。
同製品は、RISC方式の8ビットCPU「U8 Core」に、高音質音声合成と高出力可能なスピーカアンプを融合。IGBTを制御するPWM回路やLCDドライバを内蔵し、5V電源で駆動できる。さらに、音声再生機能をハードウェアで実現しているため、マイコンのソフト処理に負担をかけることなく、容易に音声再生することが可能となっている。
音声合成方式は、4ビットADPCM2/8ビット non-linearPCM/8ビットPCM/16ビットPCMを搭載し、サンプリング周波数も6.4/8.0/10.7/12.8/16.0/21.3/25.6/32kHzに対応し、組み合わせに自由度をもたせている。
また、ローパスフィルタを搭載しているため、クリアな音質を実現できるほか、0.6W出力のAB級スピーカアンプ内蔵し、音声ガイダンスなどの用途に最適となっている。ML610Q383/384/385は、128KBのフラッシュROMに加え、最大16MビットのP2ROMを内蔵しており、音声ガイダンスなど、長時間の音声再生に必要な容量を確保できる。容量は383が4Mビット、384が8Mビット、385が16Mビットとなっている。
なお、4品種のサンプル出荷は「ML610Q380」が現在出荷中、「ML610Q383/ML610Q384」が2012年6月より、「ML610Q385」2012年4月より開始される。価格は380が350円。383/384/385が500円。2012年5月より月産5万個で順次量産出荷を開始する予定。