パナソニック ヘルスケアとアインファーマシーズは3月30日、調剤薬局における一包化薬の鑑査業務を支援する「一包化薬鑑査支援ロボットシステム」の実証実験を共同で実施し、製品化を実現。即日、国内販売を開始したことを発表した。
現在、高齢化に伴う慢性疾患病患者の増加を背景に、日本の調剤薬局や病院の調剤では、薬をまとめて梱包した一包化薬の調剤が増えている。しかし、一包化薬は一包毎に薬剤師による確認が必要となり、薬剤師の負担となっている。
同ロボットシステムは、パナソニック ヘルスケア独自の画像認識技術を搭載し、一包化薬の計数カウントを行うロボットシステムとして2010年に開発されたもので、2010年10月から2012年3月にかけて、パナソニック ヘルスケアとアインファーマシーズが共同で、アインファーマシーズの展開する調剤薬局で実証実験を実施、99.5%以上の判定性能と、薬剤師の業務に適したシンプルな操作性を実現できることが確認された。
両社では、同ロボットを活用することで、調剤業務全体の20%を占める一包化薬の鑑査業務を支援することが可能となり、薬剤師のヒューマンエラーの低減や専門知識を活かした業務へのシフトが可能となることから、調剤業務全体の効率化を可能にできるようになるとしている。
なお、パナソニック ヘルスケアでは今後、調剤薬局向けのIT技術、及び各種ロボットシステムなど、自動化機器の技術、ノウハウを連携させることで、より安全で効率的な調剤薬局システムを提供することを目指していくとするほか、一方のアインファーマシーズでは今後、調剤薬局としての機能向上を目指し、同製品の導入をはじめとする調剤業務のオートメーション化を進めることで、患者へのより安全で専門的なサービスの提供を目指していくとしている。