日本HPは、「HP ProActive Insightアーキテクチャー」に基づき、サーバ運用を自働化する機能を搭載したx86サーバの新世代機「HP ProLiant Generation 8(HP ProLiant Gen8)」を発表し、販売を開始した。

新製品は、HPが2年間で250億円の投資を行い、900以上の特許を出願している新サーバプロジェクト「Project Voyager」の中核をなすもので、新たな設計コンセプト「HP ProActive Insightアーキテクチャー」に基づき、サーバ運用の自働化を目指したもの。

「Project Voyager」

「HP ProActive Insightアーキテクチャー」では、サーバ内蔵の管理システム最新版「HP iLO マネジメントエンジン(以下、iLO)」を標準搭載し、「インテリジェント・プロビジョニング機能」、自動ダイアグ/ログ記録機能「アクティブヘルスシステム」などの新機能を提供する。

日本HP 執行役員 エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 杉原 博茂氏は、「HP ProActive Insightアーキテクチャー」について、「サーバの新しいテクノロジー、インフラ管理用クラウド、サービスを融合した革新的な業界初の試みだ。この製品で、国内のサーバマーケットシェア1位を取りたい」と述べた。

HP ProLiant Gen8と日本HP 執行役員 エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 杉原 博茂氏

「インテリジェント・プロビジョニング機能」は、OSインストールに必要な、ファームウェア、ドライバ、ツール類とセットアップツールを内部実装し、各種ソフトウェア/ドライバのダウンロードやインストールに関する手作業を省略することにより、サーバセットアップ時間を短縮する。また、すべてのファームウェアをオンラインで更新可能で、F10キーを押すだけで、ドライバ、ファームウェア、各種ツールのセットアップが3秒で開始されるという。

「インテリジェント・プロビジョニング機能」

「アクティブヘルスシステム」は、フライトレコーダーのように正常稼働/故障時を問わずシステムボード、CPU、メモリ、ハードディスクなどの主要コンポーネントに関連する構成変更やエラー 情報などを時系列で自動記録する。1,600項目に及ぶハードウェアログ/イベントログを最大で約450日分、iLOマネジメントエンジンのチップ上に保持する。iLOは、OSやメインCPU/電源とは独立したハードウェア監視により、システムへの負荷を排除する。

「アクティブヘルスシステム」

「自動通報機能」は、現在、中継サーバを介し実現している「HP通報サービス」(HP Insight Remote Support)を、より容易に利用可能にするため、サーバ単体への実装を予定(2012年夏ごろ)している。これにより、ハードウェア自身が障害/障害予兆をHPサポートセンターへ自動通報する。

通報された情報は、ユーザーや顧客のサーバ管理を行うパートナーがクラウド管理ポータル「HP Insight Online」で確認できる。また、HP Insight Onlineでは、サーバ構成情報、保守契約/保障情報も参照できる。

「HP Insight Online」

日本HP エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 サーバーマーケティング統括本部 インダストリースタンダードサーバー製品本部 本部長 橘一徳氏は「(HP ProLiant Gen8には)新しいテクノロジーを満載している。サーバのスペックはメーカーが異なっても大きな違いはない。我々はスペックをお伝えしたいのではない。サーバ運用の根本的な変革がキーワードだ」と、今後、サーバのスペックではなく、運用の軽減で勝負していく姿勢を見せた。

価格は、タワー型の「HP ProLiant ML350p Gen8」が214,200円~、ラックマウント型の HP ProLiant DL360p Gen8が298,200円~、HP ProLiant DL380p Gen8が334,950円~、ブレード型のHP ProLiant BL460c Gen8が352,800円~、スケールアウト型のHP ProLiant SL230s Gen8が220,500円~、ProLiant SL250s Gen8が247,800円~。

「HP ProLiant Generation 8」