日本生産性本部の「職業のあり方研究会」はこのほど、平成24年度の新入社員の特徴を発表した。同社は毎年、新入社員のタイプにネーミングを行っているが、同年度の新入社員のタイプは「奇跡の一本松型」だという。

平成24年度の新入社員の特徴・ポイントとしては、「困難な就職活動の中での頑張り」「ボランティア活動を通じて若者たちの就業観が垣間見えた」「これからの時代の変化の原動力」が挙げられている。

東日本大震災からの復旧・復興に積極的に関わろうとする若者の姿が印象的だったとともに、こうした若者の姿や職業観は同社と日本経済青年協議会が共同で行っている「新入社員意識調査」にも表れているという。その例として、仕事に関する考えや希望を聞いた際に、「社会や人から感謝される仕事がしたい」という回答が95%に達していることが挙げられている。

東日本大震災が想定外の事態に遭遇する可能性があることを教訓として残したなか、若者が柔軟な発想や新たな価値観を取り入れて、社会や企業で変化という風を吹かせる原動力となるだろうとしている。

今年度のネーミングの理由については、「東日本大震災にも耐えて生き残った『奇跡の一本松』の話は、復興に向けて多くの人に勇気を与えてくれた。今年の新入社員も、前例のない厳しい就職戦線を潜って残った頑張りを称えたい。これからの人生においても自然災害をはじめ「想定外」の事態に直面することもあろうが、その困難を乗り越えていくことが期待される。今のところは未知数だが、先輩の胸を借りる(接木)などしながらその個性や能力(種子や穂)を育てて行けば、やがてはどんな部署でもやっていける(移植)だろうし、他の仲間とつながって大きく育っていく(松原)だろう」と説明されている。

平成23年度新入社員のネーミングは、発表直前に東日本大震災が発生したため中止されたが、発表予定だったネーミングは「はやぶさ型」だった。