STMicroelectronicsは3月28日、スマートグリッドの次世代規格に対応する最新のワイヤレス・マイコン「STM32W」のサンプル出荷を開始したことを発表した。同製品のようなマイコンを搭載した生活家電、電力メータおよびインフラ・モニタなど、相互接続された装置からなるスマートグリッド製品は、ピーク負荷の低減、ネットワークの安定性向上、節電の奨励、および風力・太陽光といった広範な再生可能エネルギー源の管理の向上に役立つと考えられている。

STM32Wマイコンは、IEEE802.15.4認定プラットフォームの1つで、より環境に優しい世界の実現を目指すスマート・グリッド・シナリオを定義した新しい「ZigBee Smart Energy Profile version 2.0(SEP 2.0)」に対応する予定。最新のインターネット・プロトコル(IPv6)に基づくスタック(ZigBeeIP)を使用することにより、異なったメーカー間および各社の物理層間における相互運用性が拡充される。また、SEP 2.0の中から、プリペイド・サービス、負荷変動への対応、およびエネルギー需要管理をサポートしている。

同製品は、「ARM Cortex-M3」プロセッサ・コアを搭載し、最大256KBまで増加したFlashメモリと高いコード容量により、SEP 2.0に準拠したスマートグリッド・アプリケーションの開発を可能にする。IEEE 802.15.4に準拠した無線機能の他、16bitタイマ(2個)、暗号化アクセラレータ、12bit A/Dコンバータなどの機能も、コスト効率に優れた自律型ワイヤレス・センサや制御ソリューションを開発する上で有用となる。

また、広範な製品ファミリを構成するその他多くの「STM32」マイコンと互換性を有する他、開発者が使い慣れたSTM32用開発ツールにも対応している。大規模かつ活発なSTM32開発者コミュニティは、オンラインでのアクセスが可能で、開発に向けたサポート、専門知識、およびサードパーティ製ツールを提供している。

現在、STM32Wはサンプル提供中で、1000個購入時の単価は、内蔵Flashメモリが64KBの場合に約2.05ドル、同256KBの場合に約2.91ドルになる予定。QFN48パッケージ(48ピン)で提供される他、低容量メモリ品はQFN40パッケージ(40ピン)での提供も可能となっている。

次世代スマートグリッド規格対応ワイヤレス・マイコン「STM32W」の製品イメージ写真