Xilinxは3月27日、主要防衛アプリケーション向けの高性能な防衛グレードのプログラマブルソリューションであるFPGAファミリ「Virtex-6Q」について、同社のセキュリティモニタ(SECMON) IPコアが米国国家安全保障局((NSA)による審査および検証に合格し、アンチタンパ(AT:不正操作防止)レベルの製品として認可されたことを発表した。
SECMONアンチタンパIPコアの審査および検証は、その仕様およびアーキテクチャから、ソース デザイン コードやテスト計画/手順に対する厳密かつ徹底して行われたVirtex-6Qファミリで SECMON IPコアが使用できるようになったことにより、XilinxとNSAの関係を拡大すると同時に、クリティカルなATアプリケーションで使用される航空宇宙防衛デザイン向けの安全性の高いプラットフォームを提供できるようになる。
Virtex-6QによるプログラマブルなATソリューションは、ATシステムアプリケーション全体を補完し、システムの重要なテクノロジがDoD 5200.39に準拠して確実に保護される。ATの実装において、ソフトウェアやIPコアにとどまらず、技術資料やメソドロジ、ワーキンググループ、専門エンジニアなどさまざまな形でのサポートを提供する。
世界中の防衛システムで不正製造されたデバイスが使用される脅威が拡大しており、これに対抗するための偽造防止機能を容易に検証できる特長を備える。その機能としては、Virtex-6Q FPGAの外部パッケージのマーキングの視覚認識や確認によるシンプルな機能や、マルチレベルでXilinxが所有する製品であるかの照合を行う内蔵機能が挙げられる。
このようなセキュア機能に加えて、マスク セットの制御や、耐久性が強化されたパッケージ、高温度環境下の動作、ピン互換性を持つコマーシャル グレードのデバイスよりも長い製品寿命を提供する。
リプログラム可能なFPGAであるため、ASICやASSPを採用したミッション クリティカル システムで従来生じていたリードタイムが長くなるという制約がなくなり、アビオニクス、電子戦争、ミサイルおよび軍需品、MILCOM、ISR(諜報活動偵察)システムといった航空宇宙/防衛分野のアプリケーションに適している。さらにI温度グレード(-40~100℃)およびM温度グレード(-55~+125℃)の両方に対応している。
同製品は、低消費電力40nm、2層酸化膜プロセステクノロジによって製造されている。また、同社の「ISE Design Suite」で完全にサポートされているため、試作品から量産品へシームレスに移行できる。