テクトロニクス社は、急成長するMIPIアライアンスM-PHYテストに対して広範囲かつ完全にカバーする自動テスト・ソリューションを発表した。また、従来のMIPI規格のサポートに加え、同社のオシロスコープ上で実行する、M-PHY UniPro/LLIプロトコルのデコード/解析ソリューションも発表した。

同社は2010年9月、業界に先駆けてMIPIソリューションを発表しており、今回、最新のM-PHYテスト仕様に対応した、Tx、Rx、プロトコルのテスト・ソリューションを発表する。

「MSO/DSA/DPO70000」シリーズ・オシロスコープのオプションとして装備される新製品「Opt. M-PHYTX」は、すべてのHS(ハイスピード)、パルス幅変調(PWM)ギア、振幅、ターミネーションの組み合せによって約700項目のテストを自動化することで、セットアップ時間を短縮し、テストの再現性を向上させる。新機能としては、さまざまなモードによるリグレッション(回帰)テスト、ワークグループでの共有またはベンダ選定テストのためのプリントまたはHTMによるレポート機能が含まれる。

Opt. M-PHYTXは、自動モードから解析モードへのシームレスな切替機能を備えているため、DPOJETジッタ/アイ・ダイアグラム解析ソフトウェアを使用してステップごとのデバッグを行い、さまざまなテスト・モードおよびその組み合わせで問題をすばやく特定する。同社の高性能オシロスコープ1台で、トランスミッタの自動テストとプロトコル・デコード解析を実行できる。

Opt. M-PHYRXによるレシーバ自動テストのセットアップは、高度に最適化されたセットアップを利用するため、MIPIアライアンスで規定されている厳しいM-PHYレシーバ・テストにおいて、最低でも3台の計測器、さらに膨大な数の接続が必要になる従来のソリューションと比較して、機器に要するコストを大幅に抑制することが可能となる。

同社のM-PHYソリューションは、オシロスコープにパワー・スペクトル密度(PSD)測定機能が含まれているため、トランスミッタ・テストにおいて外付けのスペクトラム・アナライザが不要となっている。さらに、M-PHYエラー検出機能が統合されているため、レシーバ・テストでの外付けのビット・エラー・レート・テスタも不要となる。これによりテスト機器に要するコストがさらに抑えられ、セットアップ時間も短縮できる。

テクトロニクス社のオシロスコープ「MSO72004C」の外観