無料で使い始めることができるクラウドサービス「SkyDesk」。グループでの情報共有に利用できるから、企業内はもちろん、企業の枠を越えたプロジェクトチームでの利用や地域コミュニティ、サークルでも活用可能なサービスだ。さらに、有料の機能を利用すれば、大きなグループでの利用も可能になる。ここでは、無料のSkyDeskでどんなことができるのかを紹介しよう。

文字入力は不要! 名刺をOCRでテキスト化して管理

中小企業のビジネスを効率化するうえで必要なコミュニケーションを促進するツールをまとめて提供してくれるクラウドサービスが、富士ゼロックスが提供する「SkyDesk」だ。

SkyDeskのサービスはコラボレーション系とセールス系に分かれている。コラボレーション系には、ビジネスの必須ツールである「メール」、グループでスケジュール調整などもできる「カレンダー」などがある。ローカルで作成したファイルをアップロードできる「Docs」、ワープロ機能「Writer」、表計算機能「Sheet」、プレゼンテーション機能「Show」もあり、Googleドキュメントなどと似ている。セールス系の機能としては、顧客情報を管理できる「CRM」と名刺管理のできる「Card」がある。

これらの機能を提供しているサービスは数多くあるが、SkyDeskの場合、グループを作ってそのメンバー間で情報を共有できるというメリットがある。例えば、お客様からもらった名刺を登録しておき、CRMにも顧客情報を登録しておけば引き継ぎも簡単になる。グループで取り組むプロジェクトなどでは資料と連絡先の共有が必要になるが、それもSkyDeskで済ませられる。

もちろん、1人で使うことも可能だ。メールやカレンダー機能を使えるクラウドサービスは多いが、名刺管理まで対応しているものは少ない。しかも、Cardsは名刺をスキャンもしくは撮影して画像で登録すると、OCRで自動的に文字を読み取るのだ。実際、オーソドックスなデザインで特に小さな文字を詰め込んだりしていない名刺なら、かなりの精度で文字を読み取ってくれる。

特にオススメなのが、スマートフォンとの連動だ。登録する名刺の写真は大体まっすぐに撮影できていれば十分だから、商談後の移動中や休憩中に裏表をスマートフォンで撮影してしまえばよい。iPhoneなら、名刺管理に特化したアプリも用意されているから扱いやすい。この習慣がつけば、山積みになった名刺から連絡先を探すこともなくなるはずだ。

「SkyDesk」のトップ画面。グループメンバーがファイルを共有すると「アクティビティ」に表示される。簡単な伝言板としても利用できる

名刺は画像を登録するとOCRで内容を読み取ってくれる

モバイルアプリはiPhone向けのみだが、スマートフォン版ポータルをブラウザから利用すればAndroid端末でも一部機能が利用できる

メールや名刺管理だけを強化できる機能拡張プランは魅力

SkyDeskは無料で利用開始できるが、本格的に利用しようとすると容量に物足りなさを感じるかもしれない。例えば、メール容量と名刺登録数の上限だ。

メールの場合、無料アカウントには1ユーザー当たり5GBのストレージが割り振られている。しかし、最近は大容量のファイルをやり取りすることがビジネスでも増えており、職種によっては5GBでは足りない人もいるだろう。こまめに不要なファイルを削除すればよいのだが、忙しくなってくるとそれも面倒だ。

そうしたユーザー向けに用意されているのが「SkyDesk Mail スタンダード」。メール容量を1ユーザー当たり10GBに拡張する「スタンダード10GB」プランと、15GBに拡張する「スタンダード15GB」プランがある。これを利用すれば、簡単にメールがあふれてしまうといったこともなくなるはずだ。

さらに「SkyDesk Mail スタンダード」を利用すると、「組織」に登録できる人数が大幅に増える。無料版では3人が上限であるためごく小規模なグループでしか利用できなかったが、「SkyDesk Mail スタンダード」を利用すると最大300人までを組織に登録できるようになり、組織内のグループも30個まで作ることが可能だ。メール容量はそれほど必要なくても、グループを作って本格的にSkyDeskを使おうとするならば、「SkyDesk Mail スタンダード」をぜひ利用したいところだ。

名刺の登録枚数については「SkyDesk Cards プロフェッショナル」というプランが用意されている。無料アカウントでは登録数の上限が50枚のところ、このプランを利用すると1,000枚まで可能になる。加えて、無料アカウントにはない名刺の共有機能が利用できるようになるのも嬉しい。

1,000枚登録できるとなれば個人が管理する名刺の大半をカバーできるはず。名刺を登録する作業は大変かもしれないが、机の上に山積みになっている名刺を分類しながら登録しておけば、後から連絡先の検索もしやすくなる。

「SkyDesk Mail スタンダード」はメール容量を2段階にわたって追加できる。メールの容量を増やすためだけでなく、グループ人数を増やすための利用もアリだろう

名刺登録件数を増やせる「SkyDesk Cards プロフェッショナル」はトライアルサービスもある

有料でも気軽に使える「月額数百円」の低価格

中小企業やSOHOで働く人々にとって、利用料金はかなり気になるところだろう。しかし「SkydDesk」なら心配はいらない。

まず、基本的に全機能を無料で利用することができる。個人で活動している人ならば、この無料プランでも有効だろう。少し大きな規模で導入したいユーザーにとっては、全機能の操作感を確認してから本格導入に踏み切れるというメリットがある。

さらに、本格導入を始めるとしても価格は安い。メールの容量と利用人数を増やせる「SkyDesk Mail スタンダード」の場合、1ユーザーごとの利用料金は「スタンダード10GB」プランは6ヵ月当たり2,100円だ。「スタンダード15GB」プランでも6ヵ月当たり3,150円。これを月単位で考えれば、「スタンダード10GB」プランなら350円、「スタンダード15GB」なら525円ということになる。

また、名刺の登録枚数が増やせる「SkyDesk Cards プロフェッショナル」は1ユーザー当たり6ヵ月で3,150円だ。これも月単位で計算すれば525円だ。1ユーザーごとの料金だから小規模な企業にとっては使いやすいだろう。もちろん、1人から利用可能だ。

何より、1ヵ月当たり数百円という価格は「ちょっと使ってみようかな」と思える。半年単位での支払いになるため、1回の支払い金額がそれほど大きくないのもよい。会社で導入されなくても、個人的に活用してみようかなと思ってもすぐに利用できるだろう。いつも、机の上に積まれたメモや名刺を探しながら仕事をしている人には、ぜひ「SkyDesk」を使ってみてもらいたい。