日本には和傘職人や和紙照明職人、染職人など、伝統文化を受け継ぐ様々な匠が存在する。本企画は、そんな伝統的な世界でしのぎを削る若きクリエイターたちを13人連続で紹介していく。第1回は七宝職人の細井早織を紹介する。インタビューの後半ではパソコンへのこだわりにも言及。パソコン選びに対し、"デザイン性と機能"を重要視すると答えた細井氏は、デルのUltrabook「XPS 13」にどのような印象を持っただろうか。

細井早織プロフィール

1982年岡山県生まれ。2004年佐賀大学文化教育学部美術・工芸課程卒。2005年、七宝アクセサリーブランド「七宝工房Pray(プレイ)」を立ち上げ、自身でデザインした七宝アクセサリーの制作・販売を始める。現在は佐賀市内のアクセサリー・ジュエリーショップ兼アトリエをメインに活動中。

仕事へのこだわり

――この仕事に就こうと思った年齢ときっかけは?

細井早織(以下、細井)「大学の講義で初めて七宝と出会い興味を持ちました。ただ、大学在学中は陶芸をメインに勉強していたので、本格的に七宝を学び始めたのは卒業後になります。講義を受けた先生に直接お願いして七宝を教えていただいて、その後自分のブランドを立ち上げました」

――これまでで一番思い入れのある仕事は? その理由や思い出を教えてください。

細井「近年で言うと、2010年に東京銀座で開催した作品展ですね。それまではWebや店頭販売が中心で、作品を一堂に集めて作品展を開催、というスタイルで販売をしていなかったので、今までの集大成という形でとても勉強になりました」

――自身の作品を制作するにあたっての一番のこだわりとはどのようなものでしょうか?

細井「現在の七宝業界は年齢層が高い方が中心となっているので、今の若い世代の方は「七宝」自体を知らない方が多いです。いい意味でも悪い意味でも、今までの七宝のイメージは伝統的で古典的なままのように感じるので、そのイメージにとらわれないような作品づくりをしていきたいですね。七宝を知らない人が見ても「いいな」と思えるアクセサリーを作ることが出来れば、自然と色んな世代の方々に気軽に身に付けていただけると思うので。伝統的な技術は守りつつも、「七宝らしくない七宝」みたいなものづくりをしていけたら理想です」

――これから取り組んでみたいこと、関わってみたい仕事は何ですか?

細井「今まではアクセサリーが中心だったので、もっと幅を広げてもいいのかなと思っています。七宝以外の素材と組み合わせて何か新しいものが出来ないかなと考え中です」

――愛用している道具や本、ものを教えてください。

細井「LARK BOOKSの500シリーズはふとした時に見ますね。世界中の作家さんが面白い視点でアクセサリーを作っているので、色んなヒントをもらえます」

――アイデアを練る場所、時間などを教えてください。

細井「机に座っていても全然アイデアが浮かばないタイプなので…(笑)。散歩をしたり、街に買い物に行ったり、美術館や作品展に行ったりとかの色々な経験の中で自然と思いつくことが多いです」

――趣味やコレクションなど、いま、個人的にハマっていることを教えてください。

細井「趣味みたいな感覚で仕事をしているので、ある意味では無趣味状態ですね(笑)。思えば学生の頃より、「何かにハマる」感覚が薄れてきて、より広く浅く…みたいな方向に行ってる気がします」

代表作品

花器「秋芳」

帯留「桜」

DELL×日本の若き伝統職人13

デルがこのほど発売したUltrabook「XPS 13」は、スペックのみでなく表面のデザインが洗練されているなど、デジタル界の匠ともいえる非常にスタイリッシュな製品。日本の伝統文化を継承する若きクリエイターたちは同製品にどういった印象を持ったのであろう。

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――創作活動のどういった局面でパソコンを利用しますか?

細井「アクセサリーを制作する時に最も良く使うのは、手描きでおこしたデザインをデータ化して残す、あるいはアレンジする時が一番多いですね。デザインを一度データ化して残しておけば、そこから更に展開させたり、逆に過去の制作履歴もすぐに詳しく調べられるので、とても助かっています」

――仕事の上でパソコンがあって良かったと思ったエピソードもしくは今後の創作活動で活躍できそうなシーンを教えてください。

細井「「パソコンがあって良かった」というより、むしろパソコンが無いと満足に仕事出来ない…といってしまっても過言ではないかもしれないです。 七宝を作るのは手作業がほとんどですが、作品を制作する以外は、お客様や取引先の方とメールでコミュニケーションをとったり、ホームページを制作したり、制作ブログを更新したりとパソコンの前にいることが本当に多いです。七宝は伝統工芸の分野で、一見パソコンとは無関係に思えるかもしれないですが、九州という地方から全国に広めていくには、パソコンはもはやなくてはならないものだと思いますね」

――自分の選ぶパソコンの基準(こだわり)を教えてください。

細井「こだわりは少ない方ですが、あえて言うならデザイン性と機能でしょうか。仕事柄、デザインはどうしても気にしてしまうので、スペックや機能が良ければ何でもいい、というわけではないです(笑)」

――DELLから発売されたXPS13というUltrabookが出たのですが、日本の伝統を受け継ぐクリエイターからみて、この製品に対してどんな印象を持ちますか。

細井「これはあくまで個人的なイメージですが、少し前はDELLを使用しているのは男性が多くてややハードな印象があったんですけど、今は進化してどんどんスマートになっていますね。デザイン性もかなり高くて、見た目重視で選ぶ人でもかなり満足できるPCじゃないでしょうか。とても興味があるので是非実際に使ってみたいです」

――持ち運びに便利な薄型ノートXPS13を使用して、今後の仕事で活用してみたいシーンを教えてください。

細井「今、パソコンはちょうどデスクトップしか使用していないので、ノートPCがあれば更に仕事の幅が広がりそうです。ノート型と言えば持ち運び重視の使い方になるので、薄型で軽い点はかなり使いやすいと思います。持ち運ぶという点においては、個人的にはタブレットよりも機能性重視のノートパソコン派なので。お客様とのデザイン等の打ち合わせで赴いた先でも、実際にその場ですぐにデザインを修正出来たりなど、仕事内容の密度が上がりそうです」