シャープは3月23日、スポットライトやダウンライトの光源向けに、1チップで電球色から昼白色の調色機能を持つ照明用LEDデバイス「GW6TGCBG4FD」を開発したことを発表した。2012年5月28日より月産5万個で量産出荷を開始する予定で、サンプル価格は4000円としている。
従来の照明用LEDデバイスは、明るさや照明対象物の色を忠実に再現する演色性などが重要であったが、最近では、利用シーンに応じて、色温度を調整できる調色機能を有したLEDデバイスのニーズも高まりを見せてきている。
そうした場合、複数のLEDデバイスを用いて対応していたが、コストが高くなるという課題があった。今回同社が開発したLEDデバイスは、従来の同社照明用LEDデバイス「銭形」と同じパッケージサイズ(24mm×20mm×1.8mm)で、調色機能を搭載した。
1つの基板上に多数のLEDチップを高密度に実装し、寒色用と暖色用の2種類の蛍光体樹脂でLEDチップ全体を封止。2色の光を効率よく発光して混ぜ合わせることで、電球色から昼白色の調色機能を実現したという。そのため、光源部の面積が小さく、輝度ムラの少ない、高品位な調色機能付きLED照明の光学設計が可能になるほか、自社技術によるLEDチップの採用により、高温動作(90℃)時の発光効率80lm/W(中間色)を実現するとともに、演色評価数(Ra)90以上の演色性能を実現したという。
なお、同社では、今後は照明用LEDデバイスに加え、電源モジュールなどの周辺部品や、これらを組み合わせた照明用LEDモジュールも提供していく計画としている。