Texas Instruments(TI)は、調光機能なしのLEDドライバ製品ポートフォリオを拡張するオフライン、一次側電流センス・コントローラ「TPS92310」を発表した。同製品はPFC(力率補正)機能付きのAC/DC定電流ドライバで、コストの削減および、A19、PAR30/38およびGU10をはじめとしたハイパワーLED電球に実装可能な小型形状を提供すると同社では説明している。

同製品のAC入力電圧は、100/120/230/240/277Vおよび米国の商用電源をはじめとした主要なライン電圧をサポート。また、一次側電流センスおよびレギュレーションによって、LED電流の正確なレギュレーションの提供が可能であり、これによりフォトカプラ、二次側の誤差アンプおよび、それらに関連した複数の受動部品を不要にできるため、現行ソリューション比で、BOMコストを14%以上低減することが可能だという。

さらに、 動作モードとして、適応的なCOT(コンスタント・オンタイム)モードとピーク電流制御モードの2つを用意。COTモードでは、外付け部品なしで固有のPFC機能が提供される。一方、ピーク電流制御モードは、低いLED電流リップルを提供し、ストロボ点滅効果を最小化することが可能だ。

加えて、ZCD(ゼロ・カレント・ディテクション:ゼロ電流検出)機能付きのCCM(クリティカル・コンダクション・モード:臨界モード)により、バレー・スイッチング動作を実現、電力変換効率の向上とEMIの低減を実現しているほか、サイクルごとの電流制限、過電圧および電圧低下保護、過熱シャットダウン機能によりLEDドライバおよびユーザーを故障および異常な動作条件から保護することが可能となっている。

なお、同製品はすでに量産出荷中で、1000個受注時の単価は0.49ドル(参考価格)となっている。同社では2012年5月に、同製品と同様の機能のほかにアバランシェ・エネルギー機能付きの600VパワーFETを内蔵し、ソリューションの実装面積および部品点数をさらに削減する「TPS92311」の発表も予定しているとしている。

TIの一次側電流センス・コントローラ「TPS92310」