日立製作所は、Siに代わる次世代パワーデバイス用材料として注目されるSiCを用いて、3.3kVの高耐圧を実現した鉄道車両インバータ用小型3.3kV/1200Aハイブリッドモジュールを開発したことを発表した。

同モジュールは、3.3kVのショットキー接合とpn接合を組み合わせたJBS構造を用いたSiC-SBD(Schottky Barrier Diode)とSi-IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を組み合わせたもので、デバイス・回路・損失シミュレーションを駆使したSiC-SBD構造(終端構造)の最適化技術による信頼性の向上と、単位面積あたりの電流量を増やすことに成功した。

また、Si-IGBTに対して、鉄道用回路・損失シミュレーション技術を活用することで、デバイス特性の最適化を実施。これにより、現在同社が主流として供給しているSiモジュールに比べ、モジュールサイズを約3分の2に小型化することに成功したという。

なお、同モジュールは、1500V架線用といった高電圧向け鉄道車両用インバータの、小型・軽量化、省エネの実現に貢献するもので、これを適用することで、鉄道で大きな市場である1500V架線対応のインバータにおいて、シンプルな2レベルの回路構成を適用することが可能になるという。

左が従来型のSiモジュール。右が今回開発されたSiC+Siモジュール