IDCフロンティアは、福岡県北九州市内のデータセンター「アジアン・フロンティア」に5号棟の増設を決定した。3月中に着工し、2013年2月末の竣工を目標としている。
新棟は地上3階、地下1階建で約530ラックを備え、1~5号棟を合計すると約2,530ラック、延床面積約22,200平方メートルの規模となる。地方への大型データセンター進出や災害対策などの需要に対応し、クラウドサービスやコロケーションサービスを展開していく。
「アジアン・フロンティア」は、地方型移設にシフトしている大型案件への対応やモジュール方式の先駈けとなったデータセンターであり、商用としては国内初の大規模外気空調を採用するなどの実績がある。
北九州市は地震、津波などの自然災害が発生するリスクが少ないことでも知られており、ネットワーク接続拠点(IX等)や公共交通機関の整備状況などの立地優位性も評価されている。
新棟では、温度、風速、気圧などのシミュレーションによって、さらに進化した最新鋭の外気空調システムを採用するとともに、物理学の原理原則を追求した建物形状と、外気をメインとし空調機での冷却を補助とする方式へのシフト、さらにデータセンター内の空気の搬送抵抗の極小化により、通年で約80%が外気での冷房を可能とする。これにより、空調電力の大幅な削減を見込む。
なお同社では、2012年9月末に竣工予定の新白河データセンター(仮称:福島県白河市)においても同様の設計を導入している。