前回はSharePoint Onlineの管理方法について触れた。今回はユーザーの視点からSharePoint Onlineの利用方法を見ていきたい。

SharePoint Onlineは、ファイル共有から社内ポータルサイト/外部向けWebサイトの構築/管理まで、さまざまな用途で利用できるサービスだ。なかでも、一般社員の業務を考えた場合、ファイル共有は便利だろう。単にだれでもアクセスできるようになるだけでなく、バージョン管理を行ったり、複数人で同時に編集したりすることも可能だ。「何人かが同時にアップデート作業を行った結果、一部ユーザーの更新データが消えてしまう」など、わずらわしい思いをすることもない。

また、Webサイトに関しては、ユーザーにカスタマイズする権限を与えることもできる。中小企業のようにサイト管理を総務担当者が兼任しているようなケースでは、細かい変更の度にいちいち申請を受けていては業務が回らない。可能なかぎり現場に任せるというのが双方にとって幸せなかたちだろう。それを実現する機能がSharePoint Onlineには搭載されている。

今回はこのあたりを順に見ていこう。

なお、SharePoint Onlineの操作では基本的にブラウザを使用する。ブラウザとして推奨されているのは、やはりInternet Explorerである。ただし、制限つきではあるが、Internet Explorer以外のブラウザにも対応をしているので、FirefoxやSafariを使用する場合はMicrosoftのWebサイトを確認しておきたい。

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ドキュメントの保存だけでなくバージョン管理も可能

SharePoint Onlineでは管理者が作成したサイトにドキュメントを保存することができる。ここで、前回作成したマイナビ商事の全社ポータルにドキュメントをアップロードしてみたい。

チームサイトのテンプレートを使用して、サイトコレクションを作成した場合、共有ドキュメントという名称のドキュメントライブラリ(ドキュメントを保存する場所)がデフォルトで作成されている。このライブラリにドキュメントをアップロードするためには、「ドキュメントの追加」をクリックすればよい。

図1 : ドキュメントのアップロード

ドキュメントライブラリにアップロードしたドキュメントにはバージョン管理 を適用することができる。管理者からサイトの管理権限を委任されている場合、ユーザーは「ライブラリの設定」からドキュメントライブラリの設定を変更することでバージョン管理の機能を必要に応じて有効にすることが可能だ。

図2 : ドキュメントライブライブラリの設定変更

ライブラリには様々な設定メニューがあるが、バージョン管理は「バージョン設定」の「ドキュメントのバージョン履歴」から行える。世代数を設定することもできるので、頻繁に更新されるドキュメントに関してはこちらを利用することで記憶域の過度な消費を抑えられる。

図3 : バージョン管理の有効化

なお、文書のプロパティからバージョン履歴をクリックすることで以前のバージョンを参照/復元できる。SharePoint Onlineを導入していれば、ファイルを誤って上書きしてしまった場合なども慌てる必要はない。

図4 : ドキュメントのバージョン管理

また、ドキュメントライブラリには文書のチェックアウト/チェックインの機能もある。こちらを利用すれば、各文書をチェックアウトしたユーザーしか編集できなくなるので、複数のユーザーが同時に文書を編集した結果、一方の更新が消えしまうといった問題もなくなる。

図5 : チェックイン/チェックアウトを使用した文書の排他利用

さらに、Word / Power Pointのドキュメントに関しては、チェックイン/チェックアウトのように文書を排他的に利用するだけでなく、共同編集 することも可能だ。この機能を使えば、営業部門で売上をExcelファイルで管理するような会社でも、他人が入力し終わるのを待っている必要がない。とりわけ小規模のグループでは利用価値の高い機能だろう。なお、共同編集しているユーザーの情報は画面に表示されるので、だれがファイルを更新しているのかも把握できる。

図6 :ドキュメントの共同編集

加えて、SharePoint OnlineにはWindows Phoneからもアクセスすることができる。Windows Phoneユーザーであれば、電車内などの移動中でもSharePoint Onlineにアクセスしてドキュメントを確認するといったことが行える。

図7 : Windows PhoneからSharePoint Online にアクセス