シトリックス・システムズ・ジャパンは、仮想デスクトップ(VDI)ソリューションの最新版「Citrix XenDesktop 5.6」を発表、シトリックス認定パートナーを通じて提供を開始した。価格はオープン。
XenDesktop 5.6では、「Personal vDisk」、「Citrix XenApp 6.5 Mobility Pack」、「Citrix Mobile Application SDK for Windows」といった新機能が提供される。
「Personal vDisk」は、共通のシステムイメージを全ユーザーのVMに展開すると同時に、ユーザーごとのアプリケーションやデータ、カスタマイズ情報の保存を行う。
通常VDIでは、ユーザーごとにシステムイメージと仮想マシン(VM)を割り当て、これにより、ユーザーは各自が利用するアプリケーションやデータ、カスタマイズ情報をシステムイメージ内に保存し、自分専用の仮想デスクトップ環境を利用できる。しかし、その反面、ユーザーごとのシステム全体のイメージをすべて保存しなければならないため大容量のストレージが必要になり、コスト増を招いていた。
しかし、「Personal vDisk」により、ひとつの標準システムイメージを運用保守するだけで済み、ストレージの必要容量を抑えることができる。同社では、VDI導入の際のストレージコストを最大65%削減するとしている。
また、XenDesktop 5.6に含まれる「Citrix XenApp 6.5」および「XenApp 6.5 Mobility Pack」により、Windowsアプリケーションにモバイルデバイスで使いやすいユーザーインタフェースを提供する。
Windowsアプリケーションはキーボードとマウスの利用を前提とした設計がされているため、仮想化されたWindowsアプリケーションをタブレットやスマートフォンなどのモバイルデバイスで使用する際は、最適なユーザーインタフェースといえなかった。しかし、「XenApp 6.5 Mobility Pack」をXenAppサーバに適用すると、タッチフレンドリーなモバイルアプリケーションに変換される。
「Citrix Mobile Application SDK for Windows」は、仮想化された既存のWindowsアプリケーションからモバイルデバイス固有の機能を使用できるようにする無償開発キットで、モバイルデバイスが持つGPSやカメラ、通信機能と連携したアプリケーション開発が行え、Windowsアプリケーションをモバイルデバイスで使えるようになる。
そのほか、マイクロソフトが提供する統合管理ソリューションであるSystem Center Configuration Manager 2012とSystem Center Virtual Machine Manager 2012との連携も強化され、より大規模な仮想デスクトップシステム環境であっても、物理マシンとともに統合管理が行えるようになっている。