米Texas Instruments(TI)は、マイクロプロセッサとセンサをつなぐモジュラ・タイプの2つのコンフィギュラブル・アナログ・フロントエンド(AFE)を発表した。具体的には、高集積のNDIRガス・センシングAFE「LMP91050」と高集積のpHセンシングAFE「LMP91200」を同社のセンサAFEファミリのラインアップに加えた。

新しいAFEを用いると、複数の非分散型赤外線(NDIR)ガス・センサおよびpHセンサに対して1個のAFEを使用するだけで済むようになるため、複数の複雑なディスクリート・ソリューションの設計が不要になり、製品開発期間の短縮ができるようになる。このAFEを使った回路設計には、同社の「WEBENCH Sensor AFE Designer」ソフトウェア/ベンチ開発システムを利用できる。これらのツールを使い、設計者はセンサの選択、ソリューションの設計と構成、構成データのセンサAFEへのダウンロードにより、迅速なプロトタイプ製作が可能になる。

LMP91050は、NDIRセンシング、屋内CO2監視、デマンド制御換気、HVAC、アルコール呼気分析、温室効果ガス監視、フロン検出向けの複数のサーモパイル・センサをサポートする。AFEはプログラマブル・ゲイン・アンプ(PGA)、「ダークフェーズ」オフセット除去回路、可変コモンモード生成回路、SPIインタフェースを内蔵し、システム設計を簡素化する。また、低ゲイン範囲と高ゲイン範囲により、感度の異なる複数のサーモパイルの使用を可能する。100ppm/℃(最大)の低ゲイン・ドリフト、1.2mV/℃の出力オフセット・ドリフト、500nsの位相遅延変動、0.1μV rms(0.1~10Hz)の低ノイズ、-40℃~+105℃の動作温度範囲により、最適なシステム性能を実現する。

LMP91200は、排出監視、蒸気品質/水質監視、化学/石油化学プラント、食品加工などのための分析器で使用される2つの電極pHセンサをサポートする。AFEはPGA、超低入力バイアスpHバッファ、信号ガーディング、温度/測定キャリブレーション、コモンモード生成/診断回路を内蔵しており、1つのチップにより、多くのpHセンサへのインタフェースを可能にする。また、オンボード・センサ・テストにより、適切な接続と機能性を確保するとともに、電力供給の停止の際にもpH電極を保護しながら、0.4pA(最大)の超低バイアス電流によってシステムの信頼性と精度を向上する。1.8V~5.5Vおよび-40℃~+125℃の広い動作範囲にわたり、低pHバッファ入力バイアス電流を保証し、フレキシビリティを最大限に高める。

高集積化により、LMP91050は3mm×4.9mmの10ピンMSOPパッケージ、LMP91200は5mm×6.4mmの16ピンTSSOPパッケージを採用しており、最終製品の小型化を可能にする。すでに2製品とも量産出荷を開始しており、1,000個受注時の単価(参考価格)はLMP91050が1.32ドル、LMP91200が3.90ドルとなっている。

コンフィギュラブルNDIRガス/pHセンシングAFEの製品イメージ