テクトロニクス社は3月7日、デジタルシリアルアナライザ「DSA8300型」用の光コンプライアンステストツールセットを発表した。

同ツールセットは、1台のメインフレームで10G、40G、100G(25G×4)のスピードに対応する光コンプライアンステストソリューションである。IEEE 802.3、Fibre Channel規格のすべてのテストをサポートする他、最大で4倍のスループットを実現し、優れたジッタ性能、統合されたクロックリカバリソリューションも併せ持っている。

これにより、OEコンバータなどの外付けのテスト機器が不要になる。また、アップデートされたジッタ解析により、BUJ(Bounded Uncorrelated Jitter、有界非相関ジッタ)分離を可能にし、クロストーク問題の特定に効果を発揮する。

DSA8300型は、モジュール構造を採用した、汎用性の高いデジタルシリアルアナライザで、優れた帯域性能、信号忠実度があり、高性能TDR、インターコネクト解析により、現在および最新のデータ通信技術に対し、正確な信号障害解析を可能にする。クロック・リカバリ・ユニット、高精度フェーズ・リファレンス・モジュール、電気サンプリング・モジュール、光サンプリング・モジュールなど、最大6台のモジュールが装備でき、1台の計測器でさまざまなテスト構成に対応できる。すべての機能が1台で実現できるため、作業ベンチが効率的に利用でき、校正のコストを抑えることが可能だ。

最新のIEEE Ethernet光/電気規格の40G、100Gbpsは、4レーン、10レーンのアーキテクチャになっている。このようなマルチレーン・アーキテクチャの設計では、BUJとして示される隣り合ったレーンのクロストークを正確に特定することが重要になる。従来、デュアルディラック(Dual-Dirac)などのジッタ分離手法ではBUJの非繰り返しパート(NPBUJ)は明らかにならず、代わりに間違ってランダム・ジッタに加えられることになってしまい、ビット・エラー・レート・テスタ(BERT)による結果と比べると誤差の多いジッタ推定となっていた。今回提供された同ツールによるDSA8300型の新しいNPBUJ機能を用いることで、新しい分離要件に対応でき、クロストークの信号問題を正しく、正確に測定し、明らかにできるようになると同社では説明している。