Mentor Graphicsは3月7日、デスクトップ型PCB設計ソリューション「PADS」の最新リリース「PADS 9.4」を発表した。
PADS 9.4の主な新機能には、DDRxのインターコネクト設計に必要なネット関連付け機能が含まれている。複数のネットを「グループ化」し、ネット長ルールや差動ペアルールなど独自のハイスピード制約条件をグループごとに定義できる。関連付けされたネットは、これらのルールを順守しながら対話型/自動配線を行うため、厳しいハイスピード性能仕様を確実に満たす。また、トレースを他のトレースや基板外形のような既存の障害物に「沿って」配線させる機能もある。同機能により、配線に要する時間を短縮し、基板のスペースを有効活用できる。さらに新しい2Dラインのスタイルやスナップ機能によって製図作業も向上している。
PCB設計向けに独自のDFM(Design for Manufacturing:製造性考慮設計)解析機能が追加されたことから、PADS Layoutで100を超える製造/実装ルールを設計者がチェックできるようになった。
PADSの解析機能は、製造/実装分野のDFM解析を牽引するValorRのテクノロジをベースにしている。ODB++によるインテリジェントなデータを設計から製造に引き渡すことが可能なため、新しいODB++ビューアを使用してGerberファイルのような従来のCAMドキュメントを重ね合わせて比較し、PCBの設計から製造までデータの完全性を保つことができる。また、製造上の問題を設計プロセスの早い段階で検知し、修正できることから、設計/製造のリスピンを減らし、全体的なTime-To-Marketを短縮することが可能となっている。