日本アイ・ビー・エム 常務執行役員 ソフトウェア事業担当 ヴィヴェック・マハジャン氏

日本アイ・ビー・エムは3月8日、企業のビジネスユーザーがPC上でシナリオ分析により実行計画策定を可能にするソフトウェア「IBM Cognos Insight v10.1」の販売を開始した。あわせて、計画策定や予算管理のパフォーマンスを管理する「IBM Cognos TM1」の最新版を発表した。

常務執行役員 ソフトウェア事業担当 ヴィヴェック・マハジャン氏は、「われわれはビジネス・アナリティクスに必要な製品を網羅しているが、その中核となっているのがCognos 10 Family。ビジネス・アナリティクスにおいては、データをいかにしてインテリジェンスにつなぐかがカギとなる」と、Cognosシリーズが同社のビジネス・アナリティクス製品において重要な位置を占めていることを示した。

同氏は、「Cognos Insight v10.1」がビジネス・アナリティクスに必要な機能を一通り備えていながらも1ユーザー当たりの価格が5万5,500円であることを根拠に、ビジネス・アナリティクス市場の「ゲーム・チェンジャー」となると語った。

同製品の価格は3月中については1ユーザー当たり7万3,000円だが、4月より5万5,500円に改定される。

日本アイ・ビー・エム ソフトウェア事業 ビジネス・アナリティクス事業担当 国本明善氏

「Cognos Insight v10.1」の詳細については、ソフトウェア事業 ビジネス・アナリティクス事業担当 国本明善氏が説明した。同氏は、同製品をリリースした理由について、「これまで、ビジネス・アナリティクスは経営層やIT部門が難関な技術により進めていたが、現在はビジネスのスピードが速く企業のあらゆる人がさまざまな情報から意思決定を行って最適解を導くことが求められている」と語った。

「Cognos Insight v10.1は一方的な中央集権型のビジネスインテリジェンスから、すべてのビジネスユーザーのためのアナリティクスを実現する」と同氏。

Cognos Insight v10.1は、「データ検索」「データのビジュアル化」「what if分析」「プランニング」「共有」といったビジネス・アナリティクスのフローをPC上で行うことを可能にする。同製品で作成したデータは共有することができるため、全社システムとの連携も実現する。同氏は実際に、Excelファイルからデータを取り込んで、分析が可能なフォーマットを整え、アクションプランを策定するまでの手順をデモで示した。

Cognos Insight v10.1で実行できること

「IBM Cognos TM1」については、「旧製品は機能面では充実していたが、扱いづらいという課題があり、今回は操作性が向上した」と同氏。加えて、現場の担当者がCognos Insightを活用して作成した分析モデルや分析結果をCognos TM1を経由して全社レベルで共有したり、全社レベルで検討する予算計画プロセスにCognos TM1を経由して参画したりと、ダイナミックな企業内双方向連携が可能になる。

同氏は、「Cognos Insight v10.1とCognos TM1 v10.1によって、中央集権型BIのメリットであるガバナンスと分散型ビジネス・アナリティクスのメリットであるアジリティが実現される」と述べた。

Cognos TM1 v10.1の価格は3月中は1,048万5,000円だが、4月より改訂されて800万円となる。