デルは3月7日、同日に発表されたインテルの「Xeonプロセッサー E5ファミリー」を搭載した第12世代の「Dell PowerEdge サーバ」6機種を発表した。同サーバは世界で同時に販売が開始された。
執行役員の町田栄作氏は、「現在、企業にはパワフルでかつスピードを持った競争力が求められている。われわれはこれを短期間で実現するために、『アプリケーションに最適化したソリューションの提供』『エンドツーエンドのパフォーマンスとシンプルな管理』『顧客企業の専門知識をITソリューションで補完』という形でサポートしていく」と説明した。
そして、今回発表した第12世代のDell PowerEdge サーバの着地点が「エンドツーエンドのパフォーマンスとシンプルな管理」だったという。実際、同社は2009年から2011年にかけて、エンドツーエンドの製品ポートフォリオを拡大してきた。
「2010年は、ワークロードをマルチプラットフォームで稼働させることを実現するため、オカリナなどのM&Aを行ってきた。2011年もForce10ネットワークスを買収したが、今後はクラウドを含めたサービス分野を伸ばしていく。CEOのマイケル・デルも今後4、5年間はポートフォリオ拡大に向け、M&Aを積極的に行っていくと宣言している」(町田氏)
製品の詳細については、公共・法人マーケティング本部 サーバ ブランド マネージャーの布谷恒和氏から説明がなされた。
「2009年に発表した第11世代のPowerEdgeは、省電力化と運用管理の効率化を目指し、大幅なデザインの改善が行われた。例えば、第11世代では初めて組込みのコントローラが採用された。対する第12世代はデザインを担当するエンジニアが顧客に直接ヒアリングをしてニーズを集め、それを反映した製品となっており、いわば『お客様が設計し、デルがエンジニアリングした製品』と言える」と、同氏は12世代のPowerEdge サーバの特徴を示した。
布谷氏によると、顧客から前世代のデザインの改善に対する評価は高く、12世代については「スピード」「高集積」に対する要望が多かったという。具体的には、11世代のデザインを踏襲しつつ、「スペース性能の向上」「管理作業の自動化、エージェントレス化による生産性の向上」「省電力化と効率化」が行われた。
布谷氏は、高集積化の例として、前世代と比べて、DIMMスロット数と搭載可能なHDD本数が増えたこととGPUを内蔵できるようになったことを挙げた。また、ビッグデータを利用する環境をサポートすることを踏まえてI/Oの高速化も図られており、標準SSDをRAID化してキャッシュとして利用できるようになったほか(Cachecade I/Oアクセラレータ)、筐体の前面からPCIスロットに直接挿すことができる「フロントアクセスPCIe SSD」が初めて搭載された。「Cachecade I/OアクセラレータをOracle Databaseでテストしたところ、28倍のクエリー性能と3倍のユーザーサポートを記録した」と同氏。
また、これまで管理用のエージェントが必要だったところ、組込み管理コントローラ「iDRAC7 Enterprise」ですべて情報を収集できるようになったため、OSに依存することなく、エージェントなしでモニタリングが行えるようになった。
12世代PowerEdgeシリーズのラインアップは、大容量キャパシティ・ハイパースケールモデル「PowerEdge R720xd」(最小構成価格:39万5,850円から)「PowerEdge C6220」(最小構成価格:未定)、仮想化向けモデル「PowerEdge R720」(最小構成価格:29万8,200円から)「PowerEdge R620」(最小構成価格:27万900円から)「PowerEdge M620」(最小構成価格:18万4,800円)、スモールビジネス/リモートオフィスモデル「PowerEdge T620」(21万9,450円から)となっている。