NECは3月5日、広島市教育委員会が広島市の教職員約7,000人が使用する教育情報クラウドサービス基盤を構築し、サービスの利用が開始されたと発表した。同社によると、教育委員会における校務支援サービスも含めた包括的なプライベートクラウドサービスの利用は、政令指定都市で初めての事例だという。
政府が2009年度に発表した学校ICT環境整備事業を受け、広島市教育委員会でも同年に1,300台の端末が導入され、現在までに6,000台の教育委員用端末が整備された。これにより、個別のデータ管理などが教職員の負担となったほか、高いセキュリティレベルで情報を一元管理する必要性の観点から、クラウドサービスの利用が検討されていた。
これを受け、NECは各学校に設置されていた206台の管理系サーバを廃止し、データセンターのファイルストレージに集約して省力化を行い、グループウェアや校務支援サービスをデータセンタからネットワークを通じて利用できる、広島市教育委員会のプライベートクラウドを構築した。
運用・管理については新たに専用のサービスデスク(ISO 20000に準拠)を設け、アウトソーシングによるシステムの運用を行い、学校現場・教育委員会のICT管理負担を削減した。さらに、2要素認証基盤などの高度なセキュリティ環境を用意し、校務の情報化に対して安心・安全な運用を実現。
校務支援サービスやグループウェアのほか、児童・生徒情報管理、成績管理、文書管理などの校務支援サービスや、学校の情報発信を促進するブログ型CMS、USBメモリなどでデータの持ち出しをしなくても校外のPCからアクセスできる環境がプライベートクラウドサービスで提供される。
同サービスで利用する児童・生徒および教職員の情報は、統合認証基盤サービスとの連携により機密性・完全性・可用性を確保し、ActiveDirectoryとUSBキーの2要素認証を組み合わせた統合認証基盤サービスが用意されている。