ホームNASの転用では企業の需要が満たせない

日本アイ・ビー・エム システム製品事業 ゼネラル・ビジネス 事業開発の中村隆夫氏

中小企業がファイルサーバを選択する時、コストの面から小規模なNASを選択することは少なくないだろう。家庭でも複数のPCが使われることが多くなった今、NASのラインアップは充実してきている。映像や音楽などを共有するために大容量化し、RAID機能でデータ保護を行える製品も多い。しかし、企業で使うには、そうした製品が力不足であることは否めない。

企業で利用するストレージは、単純に大容量ならばよいというわけにはいかない。大容量を使い切れるだけのハードウェアに対する信頼性と、障害発生時のスムーズな対応が不可欠だ。家庭用製品の使い回しでは、スピードが要求されるビジネスに対応しきれない可能性は多々ある。

「中小企業にもビジネスに適したストレージを使っていただきたいと考えた結果がこれです」と、日本アイ・ビー・エム システム製品事業 ゼネラル・ビジネス 事業開発の中村隆夫氏が語るのは「IBM System x3100 M4 xNASモデル」だ。

18万9800円の安価なモデルでもサポートは充実

「IBM System x3100 M4 xNAS モデル」は、350mlの缶ジュースを縦に3本積み上げたのと同じ高さという、コンパクトなタワーケースを採用したサーバ「IBM System x3100 M4」に、Windows Storage Server 2008 R2をOSとして搭載することで、高性能なストレージとしたモデルだ。

350mlの缶ジュースを縦に3本積み上げた高さの「IBM System x3100 M4 xNASモデル」

付け外しが簡単なシンプルスワップ対応ドライブベイ

販売価格は18万9,000円からだ。最も安価なモデルはPentium G850を採用し、4GBのメモリと2TBのHDDを搭載しているが、上位モデルではXeonが採用されている。メモリは32GB、HDDは12TBまで増設可能だ。HDD増設や交換が容易に行える「シンプルスワップ」にも対応しており、レバーを引くだけでHDDの付け外しができる。

「ラインアップにはラックサーバやブレードサーバもありますから、ニーズに合わせて選択していただけます。そして、すべての製品がIBMの高いクオリティで作られていることと、上位モデルと同じサポートが受けられることがポイントです」と中村氏は語る。

IBMがワールドワイドで展開する各種製品の技術を集めて作られた「IBM System x3100 M4」は、安価ながらも上位機種と同じ機能を多数搭載している。特に保守・管理の手間を低減する機能が充実しているのが特徴だ。

障害の事前予知と部位特定で迅速な対応を実現

注目の保守・管理機能は「PFA(障害予知)機能」と「診断LED」だ。この2つが搭載されていることで障害の発生と障害個所を早い段階で視覚的にとらえることができる。

「PFA機能」は、障害発生の24時間から48時間前に察知してアラートを出す機能だ。メモリ、CPU、HDD、電源関係、ファンといったサーバの主要機能に障害が発生しそうなことを事前に察知してくれるおかげで、実際に障害が出る前にデータを退避させたり、代替サーバを稼働させたりすることが可能だ。ケースを閉じたままでもフロントパネルにあるランプで確認できるから、異常を見逃す心配もない。

「診断LED」は本体内部に大量配置されたLEDのことで、故障個所をランプで知らせてくれる。不具合が出た場合も障害個所をすぐに特定できるため、サポートに連絡する際にもムダが省けるというわけだ。

この2つの機能の最大のメリットは「見ればわかる」ことだろう。ツールを使って管理画面から診断を行うといった方法ではなく、ハードウェアの前に立てば障害発生の危険があるかどうかがすぐにわかるうえ、ケースを開きさえすれば故障パーツを特定できる。こうした機能はIBMの上位機種で長年採用されてきたものだが、IT部門や専任技術者のいない中小企業にこそ必要な機能とも言える。

「x3100シリーズは、診断LEDやPFAなど上位モデルと同じ障害対応機能を搭載しています。エントリーモデルでこうした機能を搭載しているのが、IBMの特徴です。他社の同クラスの製品と比較しても、診断できるパーツ数が多く、エージェントも不要など、中小企業にとって扱いやすいものになっています」と中村氏は説明する。

1年間24時間365日のオンサイト保守を提供

また、IBM x3100 M4は購入後1年間、365日×24時間のオンサイト保守が受けられる。つまり、故障した場合も、迅速にIBMの技術者がオフィスに訪れ、その場で解決してくれるわけだ。さらに「IBMエレクトロニック・サービス・エージェント」を導入すれば、ハードウェアの自動監視が行われる。仮にユーザーがエラーに気づかなくても、自動的に技術者へ通知が行われて障害対応を受けられる。

「企業では、年率60%の勢いでデータが増えているのに対し、ストレージ予算は1~5%程度しか伸びていません。安価で高性能、大容量なストレージが求められているのです。そして、データが増えるほどトラブルは増え、迅速な復旧が重要になってきます」と中村氏。

「IBM System x3100 M4 xNASモデル」を利用すれば、手頃な価格で上位モデルと同等の手厚いサポートが受けられる。不意の故障に悩まされることもなくなり、原因究明や修理待ちの間にビジネスが止まってしまうという問題からも解放される。

「中小企業にこそ使ってもらいたいのがIBM System x3100 M4です」と、自信を持って中村氏は語った。