日本サムスンは3月1日、次世代テーブル型インタラクティブ(双方向)液晶PC「サムスンSUR 40 for Microsoft Surface」を今夏に発売すると発表した。同製品はマイクロソフトと共同で開発・製品化されたもので、複数ユーザーが同時に相互操作すること可能。
同製品は、40型フルHDシステム液晶、一体内蔵型PC、内蔵スピーカー、Windows 7 Professional 64ビット英語版などで構成される。HDMIによる外部映像出力に対応しているので、40型以上のディスプレイに映像を映すこともできる。また、無線LAN、Bluetooth、Ethernetに対応しているので、PCに限らず、スマートフォンやタブレット端末など、多彩な端末と通信が行える。価格はオープンだが、150万円程度を参考価格として想定しているという。
DMAチーム チーム長の宮田隆氏は、同製品の特徴として「ナチュラルユーザーインタフェース」「多点認識パネル」「複数ユーザーが同時に相互操作可能なこと」「オブジェクト認識機能」を挙げた。
52点までの多点で同時に認識が可能なタッチパネルを実現するコア技術がマイクロソフトの「PixelSense」だ。タッチパネルでは、バックライト用のLED発光素子がバックライト機能とタッチパネル機能の赤外線発光素子としての役割を担い、液晶パネルに内蔵されたセンサーが「目の役割」を果たすほか、液晶8画素に1つの赤外線センサーが内蔵されている。
同製品のキーとなるもう1つの技術が「タグ」だ。同製品では、手のひらや指に加えて、チラシやクーポン券、置物、会員カードといったさまざまなオブジェクトを置いて認識させることができる。さらに、Surfaceバイトタグと呼ばれるSurface専用の二次元バーコード機能により、バイトタグをオブジェクトの底部に印刷・貼付することで、タグに記録されているデータをアプリケーションに渡すことが可能。
発表会では、セカンドファクトリーのデザイン&デベロップメント事業本部 コーポレートマネージャーの有馬正人氏が同製品で利用可能なアプリケーションのデモンストレーションを行った。同社は、同製品上で旅行の計画を立てることができるアプリケーションを開発した。「旅の計画は煩雑なので面倒になりがちだが、本来は楽しんで行うもの。それを実現するアプリケーションを作りたかった」と、同氏は開発の経緯を語った。
同社が開発したアプリケーションは、複数の人が液晶パネル上で用意された観光スポットのカードを組み合わせて旅行行程を組み上げ、その情報を会員カードに保存することで、会計まで可能にするというもの。デモでは、タグを張ったオブジェクトとして京都タワーが用意され、それを液晶パネルに置くことで、京都タワーのデータが表示される様子が披露された。
有馬氏は、同製品がWindows Platformで開発できるメリットについて、「サムスンSUR 40のアプリケーションはWPFなどマイクロソフトの標準の開発フレームワークが使えるので、開発者はわざわざ技術を習得する必要がない。開発企業にとっても開発者を確保しやすいというメリットがある」と説明した。