沖電気工業(以下、OKI)は2月28日、商業施設の監視カメラなど高所に取り付けられたカメラの映像から、同時に最大20人の年齢(1歳単位)・性別を判別できる高精度な客層分析システム「RESCAT-CA」を開発し、販売を開始すると発表した。価格は、個別見積もりで、2014年度までに500セット販売することを目標としている。

同システムは、カメラとネットワークに接続されたセンサユニットで、小型(幅280/奥行き210/高さ40mm)で設置も容易な「RESCAT box」から構成される。同社が10年以上にわたり開発を続けてきた顔認識エンジン「FSE(Face Sensing Engine)」をベースに開発、客層分析アプリケーションが搭載され、監視カメラなど高所で撮影された映像から人物を検出して同時に最大20人の通行人数を計測する。

また、映像中の顔から性別・年齢を判別し、特に年齢は独自のアルゴリズムにより1歳単位で計測。一度検出された人物を追跡できるため、カメラ前を横切っただけの人物は計測しないなど、高精度な人数計測ができる。さらに複数の場所に設置することで、大量の計測データ(ビッグデータ)の収集が可能となり、解析技術を利用して集計した情報を活用することで、商業施設等においてより効果的なマーケティング活動が行えるようになる。

「RESCAT-CA」広告効果測定イメージ

同システムは、計測された情報をRESCAT boxからネットワークを通じてサーバーへ送るM2Mサービスにおいて、センサシステムとして活用できる。同サービスを利用することで、人手を介さないため低コストで、リアルタイムかつ長時間(24時間365日)の調査が可能になる。また、遠隔からRESCAT boxの処理速度などの稼動状況を確認でき、保守のために設置場所に出向く必要がないため運用負担を軽減できる。さらに、プライバシーに配慮し、撮影画像をファイルなどに記録する機能を持たない仕様となっている。

「RESCAT-CA」システム構成