アドビ システムズは28日、スペインのバルセロナで開催中の『Mobile World Congress 2012』において、過去1年間に1,600万件を超えるデジタル出版物が「Adobe Digital Publishing Suite」で作成されたことを発表した。

このデータは、Digital Publishing Suiteを使って配信された出版物から匿名で収集。閲覧パターンの変化、タブレットアプリケーションに支出する意図があるか否か、購入へと導く仕組みの加速、広告との関与の度合いも示されたという。また、約1,500のタブレット向け出版物を作成した世界の約600社から匿名で収集されたデータに基づく、デジタル雑誌と新聞アプリケーションの使用状況に関するデータも明らかにされた。

調査対象となった読者のうち、68%がデジタル雑誌と新聞に対して料金を支払っており、内訳は、不定期の購読(15%)、定期購読(26%)、印刷版とデジタル版の購読(27%)となっている。読者は、Webビュー、ビデオ、スライドショー、オーディオクリップ、画像シーケンス、ハイパーリンク、その他のオーバーレイを含むインタラクティブ機能の半分近く(48%)を使用しており、最も頻繁にアクセスしたのはWebビューとビデオの2種類であった。デジタル出版物の閲覧に費やす時間は、半数以上(56%)が月に25分~2.5時間で、5時間以上を費やす読者も9%存在。Digital Publishing Suiteのアプリケーションを開く機会は、平均して月に5回とのこと。

アドビ システムズのプロダクトマネジメント担当シニアディレクターであるジーク コッチ氏は、「過去12カ月間にダウンロードされたデジタル出版物は1,600万部に達し、なお衰える傾向は見られません。デジタル出版物の大きな増加に伴い、アドビ システムズは世界中の出版社や企業がデジタルによる売上増、読者数の拡大、コンテンツ購入を推進することのできる画期的な機能により、この進化をさらに加速しています」とコメントしている。