SanDiskと東芝は、128Gビット(Gb)のNANDフラッシュメモリチップを開発し、生産段階にあることを発表した。 同製品は、SanDisk, director of Memory Design のYan Li氏をプロジェクトの主任技術者とするSanDiskと東芝の共同チームにより開発されたもので、同成果の詳細は、米国サンフランシスコで23日まで開催されている半導体の国際学会「ISSCC 2012」で発表された。
今回開発した製品は最先端の19nmプロセス技術を採用し、面積約1.7平方センチのシングルシリコンダイで、1セントのコインよりも小さな領域に1,280億個のメモリセルを搭載している。19nmの回路線幅のイメージとしては、約3000本の回路線が人間の髪の毛の太さに相当するほどの細さだ。また、3ビット/セル技術を採用したことで、各メモリセルに3ビット情報の読み書きを可能としたほか、SanDiskが特許を保有するABL(アドバンスト・ビット・ライン)構造を利用することで、書き込み性能は、3ビット/セルとしては最高水準となる18MB/sを達成している。
128Gbの3ビット/セル技術に基づく製品は2011年後半より出荷が開始され、すでに大量生産の段階に入っているという。また、開発技術の派生技術として、64Gbの3ビット/セルNANDフラッシュメモリチップをすでにmicroSDカテゴリに使用している。
なお、SanDiskは現在、19nmプロセスの採用による第9世代マルチレベルセルNAND製品として、第5世代X3テクノロジー製品を展開しているが、今後は、より小型で密度の高いNANDフラッシュメモリチップを展開していく計画で、MLC NANDフラッシュメモリが使われている製品カテゴリへの導入を推進していくとしている。