イオン、NTT西日本、シャープの3社は、2011年2月15日、ハーストーリィプラスと共同で、シャープの「GALAPAGOS」端末を利用することを前提としたネット事業を展開すると発表したが、22日、具体的な事業展開を発表、2012年3月12日より「暮らしサポートサービス『A touch Ru*Run』」の提供を開始すると発表した。
サービスのターゲットは家族で、家族の中心である主婦に使ってもらい、サービスを利用することで、家族のコミュニケーションを活性化することを目指すという。
このサービスでは、タブレット端末・アプリケーション・サポートを組み合わせることで、機器の操作が苦手な人やパソコンの起動が面倒な人にも簡単・手軽にサービスを利用してもらえる環境提供を目指す。
イオンからは「イオンネットスーパー」や、WAONカードによる電子マネー決済(2012年度上期より開始予定)によるオンラインショッピングサービス、イオンの店舗のチラシ配信やイベント情報などを提供。また、シャープが開発したタブレットの販売もイオンが各店舗で行う。ネットスーパーは、ユーザー別に4つのバージョンが用意される。なお、ネットスーパーが利用できるのは、登録した店舗のみとなる。
NTT西日本グループからは、子どもが帰宅したことを携帯電話で外出先でも確認できる親子間の新たなコミュニケーションツールや、メモリーカードを挿し込むと家族の思い出を簡単に管理できるアルバムサービス、生活シーンから選べるレシピ、家族みんなで共有できるシールスケジューラーなど、親子の安心コミュニケーションツールや家族のスケジューラーなどの「くらしフルサービス」のほか、設定から操作方法、トラブルを電話や訪問、オペレーターがタブレット端末の画面を遠隔で共有・操作し、解決するサポートサービスを提供する。
シャープは、非接触ICカードの無線通信規格であるNFCに対応し、WAONカードの決済に対応する7インチと10.1インチのタブレット端末を開発したほか、電子コンテンツストアサービス(GALAPAGOS STORE)を提供する。
タブレット端末の価格は7インチモデルが39,800円、10.1インチモデルが49,800円で、くらしフルサービス利用料は315円/月、もしくは3,465円/年となる。
接続する回線は特に指定されておらず、Wi-Fi環境があれば利用できる。当初は、関東と広島から提供を始め、順次全国展開するという。
NTT西日本 取締役サービスマネジメント部長 小林充佳氏は、「コミュニティの最小単位を家族と考えて、コミュニケーションの活性化を図っていきたい。その中心は主婦になるが、主婦はITに関して慣れ親しんでいるとは言えない状況にあるため、ハードルをいかに下げるかが重要だ」と、今回のサービス提供の目的を語った。
そして、同社のビジネス成長戦略について、「1,700万の光ユーザーに向けどんなサービスを展開していくかが我々の最大のミッションだ。家庭にはデジタル機器としてテレビ、カメラ、オーディオ機器などがあるが、それぞれがスタンドアロンで接続されておらず、これらを融合させることで付加価値をつけていく。これまでのような回線による収益だけでなく、上位のサービスを提供していきたい」と語った。
また、NTT東日本が提供する光iフレームとの連携について小林氏は「時間がなかったため、いまのところ検討していないが、今後は考えていきたい」と語った。
一方イオンでは、タブレット端末を入り口とし、ショッピングや情報収集、各種予約や申し込みなどのサービスを提供していきたいという。ターゲットは主婦と一人暮らしの高齢者だ。また、端末代の負担を軽くするため、さまざまなポイントを付加することを検討しているという。