日本マイクロソフトは20日、今年の前半出荷予定の同社運用管理製品の次期バージョン「Microsoft System Center 2012」のプレス向け説明会を開催した。

日本マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 業務執行役員 本部長 梅田成二氏

日本マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 業務執行役員 本部長 梅田成二氏は、「システム管理ツール市場は、年間2,700億円程度だが、成長率は3%で、ほぼフラットという状況だ。ただ、情報系のIT資産管理の分野は年率50-60%で成長しており、弊社のSystem Centerが得意な分野だ。マイクロソフトは、クラウドのインフラを提供している側面と、クラウドサービスを提供するベンダーという側面があり、クラウドサービス提供で得たノウハウを製品にフィードバックしている。クラウドには、パブリッククラウドとプライベートクラウドの両方を管理するための共通基盤が必要で、System Center 2012はそれを目指している」と述べた。

「Microsoft System Center 2012」の製品群

System Center 2012では、パブリッククラウドとプライベートクラウドをエンドユーザーが意識することなく使用できる環境を整える「System Center App Controll 2012」、Runbookの管理や自動化の実行を管理する「System Center Orcestrator」という製品が追加されている。

既存製品でも、システムの稼動監視を行うSysytem Center Operations Managerでは、新たにレスポンスやスイッチ・ルータなどのネットワーク製品も管理できるように機能強化されているほか、Sysytem Center advisorでは、ユーザーの構成情報とマイクロソフトが考える正しい構成情報が合わなかった場合にレポートする機能が追加されている。

OS、ソフトウェアの展開、構成管理を行うSysytem Center Configuration Managerには、マルウェア対策のライフサイクル管理(定義ファイルの更新管理)や、モバイルデバイス管理であるMDM機能も追加され、AndroidやiOSを含む端末管理やリモートワイプ機能も提供される。ユーザーが利用している端末についてはExchange ServerのActiveSync機能を利用して、自動的に情報を収集するという。また、組み込み系のEmbedded端末もConfiguration Managerで管理する。

MDM機能やEmbedded端末の管理機能も搭載

日本マイクロソフトデベロッパー&プラットフォーム統括本部 パートナー&フォーム統括本部 パートナー&クラウド推進本部 高添修氏

そして、日本マイクロソフトデベロッパー&プラットフォーム統括本部 パートナー&フォーム統括本部 パートナー&クラウド推進本部 高添修氏は、「System Center 2012で一番やりたいことは、プライベートクラウドだ」と語った。

System Center 2012では、システム管理者は自社のプライベートクラウドで提供できるサービスを「サービスカタログ」で定義。それをユーザーにセルフサービスというUIを通して提供。ユーザーのリクエストにしたがって、仮想化環境を自動で構築できる環境を提供する。また、構築する仮想化の構成や環境はプライベートクラウドだけでなく、パブリッククラウドも含め、さまざな環境に対して構築できるツールとして機能させるという。

プライベートクラウドの自動化の構成要素

また、営業用クラウド、企画用クラウドなど、ハードベースではなく、論理的な単位での管理も可能にし、使用可能なリソースをその単位で割り当てることもできるという。

論理的な単位での管理

そのほか、仮想化環境を構成するリソースをテンプレート化して管理でき、たとえば、OSのパッチを当てたい場合、これまで利用していたテンプレートをバージョンアップしたテンプレートを作成し、稼働中のシステムにそれを適用することで、OSのパッチを当てるという運用もできるという。

テンプレートデザイナー

ライセンスは、サーバ管理ライセンスとしては、スイート製品として2種類、クライアント管理ライセンスとしては、3種類が用意されるという。

System Center 2012のライセンス体系