米Freescale Semiconductorは2月14日(現地時間)、PowerPCコアのMCUである「PXS20」の出荷を開始したことを発表した。

PXS20はe200z4コアをDualで搭載した、安全性への要求が求められる産業向けMCUで、IEC61511及びIEC61508(SIL 3)の安全規格を満たしており、1チップ内でこうした規格に求められる冗長性の確保を実現した製品である。 また、最大2つのブラシレスDCモーター、あるいは複数のアクチュエータを制御することが可能であるとされる。

2つのCPUコアとPLL、タイマ、割り込みコントローラ、DMA、クロスバーなどのコンポーネントは完全に二重化されており、これをLockStep Mode(冗長化動作)とDual Parallel Mode(独立動作)の両方で動作させることが可能である。また動作異常を検出するFalt Collection Unitを搭載するほか、RAM及びFlash MemoryはECCにより保護されている。

同社はまたPXS20の開発環境として以下のものを提供する。

  • QuickStart code initializationを含むModular Tower Systemプラットフォーム
  • MathWorksのSimulinkに連動するRAppID Toolbox
  • デバッグ用のFreeMASTER GUI
  • マルチコア環境の開発/検証ツールと最適化コンパイラ、及びMISRA C(Green Hills Softwareより提供)。

これ以外にも、サードパーティよりRTOSやツールチェーン、トレーニング/検証サポートなどが提供されると同社は説明する。

PXS20は既に出荷を開始しており、144pin LQFP及び257ball MAPBGAのパッケージで提供される。動作温度範囲は-40℃~105℃であるが、125℃まで可能な選別品も用意される。1000個発注時での価格は1個あたり6.49ドルからとなっている。

PXS20のブロック図