米Cisco Systemsは2月15日(現地時間)、自社ブログにて米MicrosoftによるSkype(ルクセンブルグ)買収を承認した欧州委員会(EC)に対し、この判断を不服として欧州連合の一般裁判所に提訴したことを明らかにした。買収後に計画されているMicrosoftのプラットフォームへのSkype統合は、動画通話の相互運用性を損なうと主張している。

Microsoftが人気VoIPサービスのSkypeを85億ドルで買収すると発表したのは、2011年5月のこと。取引は欧・米当局の承認を得た後となる同年10月に完了している。

今回CiscoはECの承認に対して、ビデオ通話の相互運用性の点から不服を申し立てた。「われわれは欧州委員会を尊重しているし、顧客、サプライヤー、パートナー、ライバルとしてのMicrosoftも尊重している」とし、「すぐに行動を起こさなかった」と説明している。

Ciscoが問題視しているのは、Microsoftが計画している「Lync Enterprise Communications Platform」へのSkypeの独占的な統合だ。LyncはMicrosoftのユニファイドコミュニケーション技術で、これが実現すると、「7億人と言われるSkypeユーザーにリーチしたい企業が締め出されるおそれがある」と主張している。

そして、買収そのものに反対しているのではなく、「標準技術に基づく相互運用を保証するような条件を付けることを要求する」と記している。Ciscoはこの分野では、「WebEx」ブランドでソリューションを提供している。Ciscoによると、VoIPプロバイダである伊Messagenetも原告として加わっているという。