IDC Japanは2月16日、日本国内における2011年第4四半期と2011年のクライアントPC市場出荷実績値について発表した。これによると、2011年第4四半期(10月から12月)の国内クライアントPC出荷台数は前年同期比3.1%減の379万台となり、2011年の国内クライアントPCの出荷台数は1,525万台と2年連続で1,500万台を上回った。

2011年のPC出荷台数の内訳は家庭市場が772万台、ビジネス市場が754万台となった。家庭市場では、上位機種となるプレミアモデルに値ごろ感が出たことで市場が刺激されて前年比4.1%増、ビジネス市場は東日本大震災や欧米経済の先行き不透明感などにより前年比10.4%減のマイナス成長となった。

2005年~2011年 国内PC市場出荷台数/対前年成長率:家庭/ビジネス別 資料:IDC Japan

ベンダー別では、シェア第1位だったNECと6位のレノボが2011年7月にNEC レノボ・ジャパングループを発足させ、第2四半期以降第2位を大きく引き離した。しかしIDCの定義では、発足までをNECとレノボ、発足後はNEC レノボ・ジャパングループと区分するため、2011年のベンダー別シェアは上から、富士通、NEC レノボ・ジャパングループ(7月から12月の出荷分)、東芝、デル、ヒューレット・パッカード(以下、HP)となり、3位から5位の順位は2010年から変動はなかった。

2011年 国内PC市場ベンダー別出荷台数 資料:IDC Japan

2011年第4四半期のPC出荷台数の内訳は、家庭市場が同比3.5%増の198万台、ビジネス市場 が同比9.4%減の182万台となった。家庭市場は、タイの洪水によるHDD不足の懸念が心配されたが、東芝、デル、HPが出荷を伸ばしプラス成長となった。一方ビジネス市場では、同期にWindows XPの駆け込み需要があった反動によりマイナス成長となった。この要因を除くと、「企業の買い替えが順調に進んでいる」と同社では見ている。

2011年第4四半期 国内クライアントPC出荷台数トップ5ベンダーシェア、対前年成長率(実績値) 資料:IDC Japan

上位5位のベンダーを見ると、デルがHPを抜き4位になったが、それ以外の順位の変動はなかった。NEC レノボグループの出荷台数は、前期(2011年7月から9月)の105万台から91万台、シェアも3.1ポイント減り、24.1%になった。「タイの洪水によるHDDの不足がNECブランドのPCの出荷に影響した」と同社では見ている。

デルが前年同期比で出荷台数がプラス成長となったのは、2008年第2四半期(4月から6月)以来。特に家庭市場はプロモーションなどが功を奏し、2ケタ成長を遂げた。一方、順位を下げたHPは、家庭市場ではプラス成長を維持したがビジネス市場で大きく落ち込み、マイナス成長だった。