ルネサス エレクトロニクスとその子会社であるルネサス モバイルは、高性能と拡張性を両立しつつもスマートフォンの価格帯を携帯機器のボリュームゾーンである150~300ドルに下げることを目指した1チップLTEコミュニケーションプロセッサ(マルチモードLTEモデム+アプリケーションプロセッサ)を開発し、それを搭載したLTEトリプルモード・スマートフォン・プラットフォーム「MP5232」を製品化したことを発表した。
同製品は、28nmプロセスを採用しているほか、これまで20億台以上の機器に採用実績のあるルネサス モバイル製モデムアーキテクチャを搭載。それにより最大100Mbps(LTEカテゴリ3の場合)のスループット、低消費電力、マルチモードのLTE (FDDおよびTDD対応)カテゴリ4を実現している。
また、ルネサス モバイル製アプリケーションプロセッサ「R-Mobile APE5R」のデュアルコアCPUを引き継ぐと共に1.2GHz動作から1.5GHzへと高速化し、クラス最高レベルとなるフルHD 1080pや3D映像などのサポートを実現したほか、RFトランシーバやパワーマネジメント、オーディオソリューションも1チップに統合することに成功している。
さらに、同プラットフォームは、ルネサス モバイルのシステムおよび製品化における専門技術による十分な検証と認証を経て提供されるため、開発期間およびチューニング、テスト時間の短縮が可能となり、セットメーカは次世代の高機能LTE/HSPA+対応のスマートフォンを6~9カ月ので製品化することが可能になるという。
なお、同製品の量産は、2012年第3四半期から開始される予定。