デルは2月14日、オープンで標準化されたクラウド環境の普及促進のため、「オープン・スタンダード・クラウド・アソシエーション(OSCA)」を設立すると発表した。OSCAにはすでに、インテルやマイクロソフトなど13社の参加が確定している。
初代会長を務めるデルの執行役員 町田栄作氏から、OSCAの概要について説明が行われた。同氏はまず、OSCA設立の目的について、「企業においてクラウドコンピューティングの導入が進んでいるが、ベンダーの独自の技術やアーキテクチャを用いての環境構築が発生している。レガシーシステムで起きていたベンダーロックインと同じ状況であり、企業をこうした状況から解放して、さまざまな選択肢を提供したい」と説明した。
OSCAの参加対象は「クラウドサービスを展開しているSI」「クラウドを導入している顧客企業」「ISV/OSS」であり、「効率的でセキュアなコスト効果が高く、かつ、オープンで標準化されたクラウド環境の提言、参加メンバーのクラウド関連ビジネスの活性化」を目的としている。
OSCAではCPU、ハードウェア、アプリケーションからOpenStackをはじめとするオープンソース技術までといったクラウドサービス基盤の構築に必要な要素技術の動作検証に加え、クラウド環境の迅速かつ容易な構築・導入、効率的な運用・管理を支援する。検証結果はベストプラクティスとして、ホワイトペーパー、セミナー、Webウェブサイトなどを通じて公開される予定。
具体的には、「ハイパースケールデータセンターソリューション」「クラウド運用管理の効率化」「クラウドの相互運用」という3つの技術分科会に分かれて活動が行われる。
ハイパースケールデータセンターソリューションでは、「大規模環境でのシステム導入運用のベストプラクティス」「PCIe SSDと分散ファイルシステムとデータベースの検証」といったテーマが予定されている。クラウド運用管理の効率化では「IT基盤の負荷に応じたプロビジョニング連携」「多種環境でのワークロードの異動」が、 また、クラウドの相互運用では「パブリッククラウド連携とワークフロー」がテーマとされている。
OSCAの検証センターはデルの東日本支社内に設置され、新製品や正式リリース前の製品を対象に、動作検証が実施される。同センターはリモートからアクセスすることも可能で、パートナーは自社オフィスから検証センターを利用することも可能。
OSCAには、同日時点で以下の企業が参加しており、発表会にも同席していた(五十音順、敬称略)。
- インテル
- ヴイエムウェア
- NTTデータ
- エンタープライズDB
- オープンソース・ソリューション・テクノロジ
- Cloudera
- 新日鉄ソリューションズ
- 日本マイクロソフト
- 日立ソリューションズ
- Rackspace
- レッドハット
- WIDEプロジェクト