Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは2月14日、高速電気通信システムおよび関連部品の設計検証ならびに評価向け高確度波形アナライザ「Agilent 86108B Infiniium DCA-Xシリーズ用プラグイン・モジュール」を発表した。
同製品は、50fs以下の残留ジッタ性能および最高50GHzのチャネル帯域幅、最大32Gbpsの内蔵クロックリカバリなどの特長を持つモジュールで、同社の広帯域オシロスコープ「Agilent 86100C/D DCA」に搭載する形で使用される。
IEEE802.3ba(40Gbps/100Gbpsイーサネット)、Optical Internetworking Forum CEI 3.0、INCITS T-11 32G ファイバチャネルなどのデータレートが28Gbpsを超すような規格では、部品の正確な特性評価が従来以上に困難となるほか、被測定物へのケーブル接続がシグナルインテグリティ(信号品質)を劣化させることや、測定器の性能が理想的でないために、被測定物の性能マージンを十分にとれないといった事態も生じることとなる。同モジュールでは、86108Bに内蔵されている高確度タイムベースやクロックリカバリなどの昨日により、こうした問題を抑制することが可能だと同社では説明している。
また、最大20MHzまでループ帯域幅を設定できるほか、ピーキングの制御も可能(4つのループフィルタ特性の中から必要なピーク値を選択)なため、各種規格に適合したPLL応答での波形解析を実現することが可能となっている。
さらに、クロックリカバリ回路の内蔵により、シングルエンドまたは差動信号から直接トリガをかけることも可能。これにより、外部のトリガ入力を不要にできるほか、入力信号をCDR(クロック・データ・リカバリ)回路に分配する広帯域ピック・オフ・ティ、および位相整合ケーブルも内蔵していることから、煩雑なセットアップの低減やシグナルインテグリティの確保も可能となっている。
このほか、クロックリカバリへの補助入力端子に観測信号と同期のとれたデータ(またはクロック)信号を入力することで、小さな信号やシンボル間干渉の影響で閉じている信号の解析も可能となるほか、内蔵位相検波器を利用することでクロック信号/データ信号のいずれでも、柔軟かつ正確に、PLLの帯域幅やピーキング測定を行うことが可能となる。
なお、同モジュールの受注はすでに開始しており、価格は1025万6032円(税別での参考価格。このほか、オシロスコープ本体も別途必要)。出荷開始は2012年4月からを予定している。