Maxim Integrated Productsは2月9日、デジタルサーモメーターおよびサーモスタット「MAX31722/MAX31723」を発表した。同製品は、ユーザーが選択可能なSPIまたは3線式インタフェースでローカルの温度測定値を提供する他、追加部品が不要なため真の温度-デジタルコンバータとなっている。ほとんどの競合ソリューションが少なくとも2.7Vの電源を必要とするのに対して、1.7Vの電源電圧で動作可能であり、この低電源電圧と2.4μAの低電力スタンバイモードにより、低電力またはバッテリ駆動のシステムに適していると同社では説明している。

同製品は、設計の容易化に役立つ一連の選択肢を設計者に提供する。データの読み書きにはSPIまたは3線式インタフェースが利用可能。より高い温度分解能を必要とするアプリケーション向けに、9~12ビットの間でユーザーが読取り分解能を調整することができる。MAX31723(±0.5℃)またはMAX31722(±2.0℃)によって、高精度と低精度の両方のアプリケーションに対応可能。

高い汎用性を有しており、サーモスタットのスレッショルドおよび設定レジスタ用の不揮発性メモリは、部品の実装時またはそれ以前の設定が可能で、パワーアップのたびにプログラムし直す必要がない。また、この不揮発性メモリによって予定外の電源断が発生した場合のデータ喪失が防止されるため、システムの信頼性も向上する。

2製品とも、ユーザーが選択可能なワンショットまたは連続温度変換モードを備えている。ワンショットモードでは、ユーザーの要求時にのみデバイスがウェイクアップして1回の温度変換を実行することにより、消費電力を制限する。連続モードではスタンドアローンの温度監視が可能なため、システムプロセッサの負荷を軽減できる。

電源電圧範囲は1.7V~3.7で、-55℃~+125℃の温度範囲での動作および測定が可能。両製品も8ピンのμMAXパッケージで提供され、1000個以上の単価(FOB USA)は約0.79ドルからとなっている。

SPI/3線式インタフェースによる汎用性を備えたデジタルサーモメーター/サーモスタット「MAX31722/MAX31723」の製品イメージ