富士通と富士通マーケティングは2月9日、王子製紙グループの情報システム開発・運用を担う王子ビジネスセンターに、王子製紙グループ38社の国際財務報告基準(IFRS)対応に向けた次期会計システムとして、グループの経営管理を強力に支援する「GLOVIA SUMMIT GM」を提供したと発表した。

王子ビジネスセンターは、2009年よりIFRS適用におけるシステムの影響度分析を開始し、約1年半かけてIFRSに対応した新たな会計システムの選定を行った。具体的には、「IFRS対応は経営資源を有効活用しつつ、最低限のコストと範囲にとどめる」という方針に基づきコスト負荷、システムへの影響範囲などを分析した結果、利用中のSAPのERPパッケージ「SAP ERP 6.0」では会計や周辺システム、アドオン資産への影響が大きくコストもかかるためIFRSへの対応を行わず、利用中のSAPとGLOVIA SUMMIT GMを連携させて日本基準仕訳データに関連づけることでIFRSへ対応することにした。

「GLOVIA SUMMIT GM」イメージ

王子製紙グループ38社の「新会計システム構築イメージ」

富士通は、日本基準とIFRSの複数帳簿によるデータ量およびシステムを利用するグループ会社数の急増への対応とシステム運用効率化のため、王子ビジネスセンターが運用するプライベートクラウド上にシステムを構築し、王子製紙グループに提供していく。

王子ビジネスセンターでは、IFRSの強制適用時期は延伸したが、当初の計画通り2013年4月にグループ38社で新システム本稼働を予定している。