Cypress Semiconductorと東京エレクトロン デバイス(TED)は、USB 3.0デバイスインタフェースカード「TB-FMCL-USB30」を共同開発したことを発表した。
同製品は、Cypressの「EZ-USB FX3コントローラ」を用いてSuperSpeed USBを実装した、最大5Gbpsのデータレートに対応可能なPCインタフェースに接続するFPGAメザニンカード(FMC)で、マザーボードに接続するだけですぐにUSB 3.0の組み込み評価が可能となる。
同梱のリファレンスデザインは、XilinxのFPGAに組み込まれているAMBA 4 AXI4(Advanced eXtensible Interface 4)対応Slaveペリフェラルへのアクセスを可能にするために開発されたもので、ユーザーはXilinx エンベデッド開発キット(EDK)を利用することで、AXI4ベースのFPGAデザインにUSB 3.0インタフェースを簡単に組み込むことができる。
EZ-USB FX3は、GPIF II(General Programmable Interface)と呼ばれる完全設定可能なプログラマブルインタフェースを備えており、最大400MBpsのデータレートに対応している。GPIF IIにより、各種のプロセッサ、ASIC、またはFPGAとの直接接続が可能で、GUIのGPIF II Designerツールキットを使うことで、システム設計者のニーズに合わせたGPIFの設定を行うことができるようになるという。
また、いくつかの一般的なシステムインタフェース、たとえば、FIFO、SRAM、非同期/同期多重化アドレス/データなども提供されているほか、プロセッサコアとしてARM9、さらに512KBのRAMを内蔵しており、200MIPSの演算能力を実現しており、コントローラ内部でのデータ処理が必要となるアプリケーションを実行することができる。
さらに、SPI、UART、I2C、I2Sなどのシリアルインタフェースも備えており、あらゆるシステムでUSB 3.0の導入を可能にするフレキシブルかつ集積度の高い機能を実現することが可能となっている。
なお、同製品はTEDの自社ブランド「inrevium (インレビアム)」としてUSB 3.0インタフェースが必要な幅広い組み込みアプリケーションをターゲットに提供され、直接販売が行われる。2014年中で1,000枚を販売する目標としている。なお、同製品が接続できるマザーボードは、2012年1月にリリースしたKintex-7 ACDC1.0ベースボードをはじめ、Virtex-6 FPGA, Spartan-6 FPGA搭載の評価プラットフォームがすでにTEDより提供されており、Virtex-7 FPGA搭載の評価プラットフォームも現在開発中だという。