2月8日、帝国データバンクと東京商工リサーチから2012年1月の全国企業倒産の集計結果が発表された。同月の倒産件数と負債総額は、帝国データの発表では951件/3,983億7,900万円、商工リサーチの発表では985件/3,493億5,500万円となっている。

帝国データバンクの調査結果

2012年1月の全国企業倒産の件数は、前月(865件)比で9.9%の増加となったが、前年同月(976件)比は2.6%の減少となり、2ヵ月連続で前年同月を下回った。

2012年1月の全国企業の負債総額は、前月(3,220億2,000万円)比は23.7%、前年同月(2,496億8,400万円)比も59.6%の増加となり、2ヵ月連続で前年同月を下回った。負債トップは、ゴルフ場経営の太平洋クラブで1,260億円。関連会社6社と合わせて負債総額全体の47.5%を占める。

全国企業倒産件数・負債総額の推移 資料:帝国データバンク

業種別では、建設業(207件、前年同月比6.3%減)、製造業(135件、同13.5%減)など5業種で前年同月を下回った一方、卸売業(153件、同7.0%増)、サービス業(194件、同8.4%増)の2業種は前年同月を上回った。

地域別では、9地域中4地域で前年同月を下回った。なかでも東北(28件、前年同月51件)は、青森(2件、同6件)や宮城(7件、同10件)など4県で前年同月を下回り、前年同月比45.1%の大幅減少となった。一方、中部(130件、前年同月比4.0%増)、九州(65件、同10.2%増)など、西日本を中心とする5地域では前年同月を上回った。

商工リサーチの調査結果

2012年1月の倒産件数は、前年同月(1,041件)比で5.3%の減少となり、1月としては中小企業の貸し渋り対策として実施された「中小企業金融安定化特別保証制度」(1998年10月開始)の影響を受けた1999年(976件)以来、13年ぶりに1,000件を下回る低水準となった。

2012年1月の負債総額は、前年同月(2,363億9,700万円)比で47.7%増と大幅に増加した。同社はその理由について、帝国データバンクと同様に、ゴルフ場経営の太平洋クラブ(負債1,100億円)と関連会社6社の民事再生法の適用申請を挙げている。この7社だけで1月の負債総額の4割(構成比43.9%)を占めているという。

全国企業倒産月次推移 資料:商工リサーチ

産業別では、農・林・漁・鉱業・建設業・製造業・卸売業・小売業・金融/保険業・不動産業・運輸業・情報通信業・サービス業他の10産業のうち、6産業が前年同月を下回った。減少したのは、不動産業43.3%減(53件→30件)、小売業14.4%減(145件→124件)、サービス業他が12.0%減(241件→212件)、製造業11.5%減(164件→145件)、情報通信業7.1%減(42件→39件)、建設業3.0%減(233件→226件)。製造業が12ヵ月連続で前年同月を下回り、建設業が1年ぶりの250件割れ、不動産業が3ヵ月ぶりに減少となった。

主要産業倒産件数推移 資料:商工リサーチ

地区別では、北海道・東北・関東・中部北陸・近畿・中国・四国・九州の9地区のうち、5地区で前年同月を下回った。減少したのは、東北30.0%減(40件→28件)、北海道15.3%減(39件→33件)、近畿12.8%減(280件→244件)、北陸11.1%減(27件→24件)、関東3.9%減(406件→390件)。