IDC Japanは2月2日、国内IT市場 主要ベンダーの2011年上半期製品ポートフォリオとビジネス戦略の分析について発表した。これによると各主要ベンダーの2011年上半期(1月から6月)の国内売上額は、東日本大震災の影響でほとんどのベンダーにおいて前年同期比でマイナス成長となった。

今回の調査は、日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)、NEC、富士通、日立製作所、日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)、東芝(含む東芝ソリューション)、デル、マイクロソフト、日本ユニシス、ASP、NTTデータの主要ITベンダー11社について、IT製品を17種類に分類し、2008年上半期から2011年上半期の国内売上額を半期ごとにまとめたもの。

その結果、主要ITベンダー11社の2011年上半期売上額合計は3兆8,457億円で、前年同期比成長率(2010年上半期に対し)はマイナス6.0%と東日本大震災の影響を受けマイナス成長を示している。

2011年上半期の売上額上位は富士通、NEC、日立製作所、日本IBM、NTTデータ、日本HPとなり、このうち総合ベンダー5社(富士通、NEC、日立製作所、日本IBM、日本HP)の2011年上半期のIT製品売上額合計は2兆8,420億円、前年同期比マイナス6.0%とマイナス成長となった。

国内IT市場 総合ITベンダー5社 売上額/前年同期比成長率(2011年上半期) 資料:IDC Japan

各社の2011年上半期の前年同期比成長率は、富士通がマイナス7.4%、NECがマイナス8.8%、日立製作所がマイナス2.2%、日本IBMがマイナス2.7%、日本HPがマイナス5.5%と総合ベンダー5社共にマイナス成長となった。

IDCは「国内のユーザー企業は業績の改善に向けて様々な施策を打ち出している。特に円高の影響によって海外進出に拍車がかかり、グローバル展開している企業が多い一方で、ITをグローバルに統一している企業は少数。ITベンダーは、グローバルITの最先端を進んでいる企業を例としたベストプラクティスなグローバルITをモデル化してソリューションとして整備・提供すべき。ユーザー企業の実情を診断し、その企業にとって今後最適なグローバルITデザインを早期に構築することが重要となる」と分析している。