ゼットエムピー(ZMP)は2月1日、9軸ワイヤレスモーションセンサ&SDK「e-nuvo IMU-Z2」(画像1)の販売を開始した。

画像1。左がe-nuvo IMU-Z2の基板で、右がケース。基板のままでも、ケースに入れてももちろん利用可能

同製品は、2009年に販売を開始した「e-nuvo IMU-Z」の後継機。3軸加速度センサ、3軸ジャイロセンサ、3軸地磁気センサを搭載しており、これら3種のセンサを組み合わせることにより、静的・動的な姿勢推定ができ、3次元の動作計測が可能な仕組みだ。また、小型軽量なことから身体に装着しての3次元動作計測(モーションキャプチャ)や、車両の挙動を把握する慣性航法装置として利用されてきた(画像2)。

画像2。左は歩行計測。中央と右は3次元動作計測の例。上は荷物運搬で、下は運転操作

今回、無線の通信距離がBluetooth ver2.0+EDRクラス1を採用したことで約100mまで拡大。それにより、長い距離での歩行計測、屋外フィールドでの運動計測なども可能となったというわけだ。センサ単体は最大1kHz(1msec)のサンプリングレートに対応し、車両の振動を計測するといったニーズにも活用できる。

通信はBluetoothのほか、CANによる有線接続も可能。また、設定の切替により、加速度センサ(1msec)、ジャイロセンサ(3msec)、地磁気センサ(6msec)の高速計測も可能だ。サイズはケースを利用しても約36mm×52mm×11mm、重量も約20gと前作同様に小型軽量で、取り付け場所を選ばない。基板だけなら28mm×43mm×10mm、10gとさらに小型軽量となる。また、最大28個まで同時計測が可能だ。

本体のほかに、ライブラリ(フィルタ/姿勢推定器、運動学、3Dグラフィクスなど)、3Dアプリケーション、サンプルプログラム、ドキュメントからなる開発環境(SDK)も付属している(画像3)。

画像3。ライブラリ構成図。通信、フィルタ/姿勢推定器、運動額、グラフィクスの4つのライブラリが提供される

そのほか、GPS、気圧、温度、湿度センサを搭載した「e-nuvo Position-Z」との連携も可能。運動に加えて絶対位置や周囲の環境もワイヤレス計測を行えるというわけだ。

価格は一般が31万2900円で、アカデミック版が20万7900円。内容は、IMU-Z2が1個とSDKだ。追加用センサは1個で一般が10万2900円、アカデミック版が8万1900円となっている。

さらに、全身モーションキャプチャセット「e-nuvo IMU-Z2 Body Motion」も用意されており、こちらの内容はIMU-Z2センサ17個、SDK、取り付け用パーツ(ベルト、バンド、グローブ)、ケーブル、計測用機器を1セットとして一般が262万5000円、アカデミック版が210万円となっている。

主な仕様は以下のとおり。

  • センサ:3軸加速度センサ(±2/4/8/16G(切替可)、12bit)、3軸ジャイロセンサ(±250/500/2000deg/s(切替可)、16bit)、3軸地磁気センサ(±0.88~8.1gauss(切替可)、12bit)(注:サンプリングレートによる)
  • CPU:ARM Coretex-M3プロセッサ
  • 通信インタフェース:Bluetooth ver2.0+EDRクラス1、CAN
  • サンプリングレート:加速度センサ:最大1msec/ジャイロセンサ:最大3msec/地磁気センサ:最大6msec
  • サイズ:36mm×52mm×11mm(基板のみ28mm×43mm×10mm)
  • 重量:20g(電池、バンド含まず)基板のみで使用する場合10g
  • 電源:3.3~15V