近藤科学は、同社製のロボット「KHR」シリーズや多脚ロボット用のコントロールボードと、PCをBluetoothで無線接続するためのモジュール「KBT-1」(画像1)の発売を開始したことを発表した。ロボットに搭載すれば、これまでシリアルUSBアダプタを介してケーブルでPCと通信していたところを、ワイヤレスで命令を送れるようになる。ちなみに、KHRシリーズのバックパックにも収まる30mm×35mmという省スペース性が特徴で、ネジ止めも可能だ。
さらに、同社が無償配布しているモーション作成ツール「HeartToHeart」シリーズ(HeartToHeart3はバージョンHTH3_120110.exe以降、HeartToHeart4はバージョン2.0.0以降に対応)のデータの送受信も可能なので、各関節(サーボモータ)のトリム調整やモーション調整もケーブルにわずらわされることなく行えるようになる。
またHeartToHeart4のユーザーに関しては、機能の1つである「KRC Commander」を使用することで、PCから無線コントローラのように操縦できるほか、PC経由でゲームパッドからでも操縦できるようになる点も大きなポイントだ。
さらに、Android携帯用送信機アプリ「KRC for Android」(画像2・3)を利用すれば、Androidケータイでロボットをコントロールすることも可能。Androidケータイでの操作範囲は最大10mで、最大6台のケータイで混線することなく各自のロボットを同時に動かせる。また、操作画面は2種類から選択でき、アナログスティックにも対応。そしてダウンロードはAndroidマーケットから行う形で、同製品の発売後の開始を予定している。
対応しているコントロールボードは、同社の2足歩行ロボット「KHR-3HV」や同じく6脚型ロボット「KMR-M6」などに搭載されている「RCB-4HV」、KHR-2HV(RCB-3アップデート済み)などに搭載されている「RCB-3HV Ver1.1a」(マスターRCB-3モードは使用できない)、オプション製品のシリアルサーボモータの駆動が可能な小型コントロールボード「KCB-1」となっている。なお、「RCB-3J」は1つのモードのみ利用できるが、RCB-3HV Ver1.1aにアップデートすれば多数のモードを利用可能だ。なお、ディップスイッチを切り替えるだけで、対応ボードの変更を行える
モードは大別してスレーブとマスターの2種類があり、それぞれ複数のモードがある。ちなみにロボット側に搭載したKBT-1をスレーブモードにした時は、操作側のPC内蔵のBluetoothまたは外付けBluetooth USBアダプタ、PCに接続したマスターモードのKBT-1、Android端末と通信が可能。複数のモードは、以下の通り。
マスターモード
- RCB-4モード:スレーブモードKBT-1とRCB-4HVのCOMポートを接続し、スレーブ側のBluetoothデバイスと通信
- RCB-3 RXモード:スレーブモードKBT-1とRCB-3HV(Ver.1.1a)のRXポートを接続し、スレーブ側Bluetoothデバイスと通信
- RCB-4 RXモード:スレーブモードKBT-1とRCB-4HVのCOMポートを接続し、スレーブ側のBluetoothデバイスと通信
- UARTモード:スレーブ側のKBT-1とUART通信が可能。マスター側から送られてきたデータはKBT-1のCOMポートから送出されます。また、KBT-1のCOMポートで受け取ったデータはマスター側の仮想COMポートへ送られる。通信速度115200bps、データ長8bit、ストップビット1bit、パリティなし。
スレーブモード
- RCB-3モード:KBT-1とRCB-3HV(Ver.1.1a)のCOMポートを接続し、マスター側Bluetoothデバイスと通信。無線によるHeartToHeart3(バージョンHTH3_120110.exe以降)との通信が可能
- RCB-4モード:KBT-1とRCB-4HVのCOMポートを接続し、マスター側Bluetoothデバイスと通信。無線によるHeartToHeart4 Ver.2.0.0以降との通信が可能
- RCB-3 RXモード:KBT-1とRCB-3HV(Ver.1.1a)のRXポートを接続し、マスター側Bluetoothデバイスと通信。KRC Commander(HeartToHeart4の1機能)、またはKRC for Androidを使用して無線コントロールが可能
- RCB-4 RXモード:KBT-1とRCB-4HVのCOMポートを接続し、マスター側Bluetoothデバイスと通信。KRC Commander、またはKRC for Androidを使用して無線コントロールが可能
- UARTモード:マスター側のBluetoothデバイスとUART通信が可能。マスター側から送られてきたデータはそのままKBT-1のCOMポートから送出され、KBT-1のCOMポートで受け取ったデータはマスター側の仮想COMポートへ送られる。通信速度115200bps、データ長8bit、ストップビット1bit、パリティなし
- Bluetooth編集モード:シリアルUSBアダプタを接続してKBT-1の名称を変更するモード
価格は1万2600円で、初回出荷は2月中旬を予定している。なお、スペックは以下の通り。
- 名称:KBT-1
- 価格:1万2600円
- サイズ:30mm×35mm
- 対応電圧:6~12V
- 通信速度:115200bpsまで
- 対応コントロールボード:RCB-4HV、RCB-3HV(Ver1.1a)、KCB-1 ※RCB-3JはスレーブRCB-3 RXモードのみ利用可能で、RCB-3HV(Ver1.1a)にアップデートすればそのほかのモードも利用可能