STMicroelectronicsは、複数のマイクロフォンを搭載するアプリケーション向けに、デジタル・オーディオ・プロセッサの新製品ファミリを発表した。同製品ファミリは、高い処理性能と拡張性およびプログラム可能性を兼ね備えており、携帯電話、タブレット、ゲーム機およびビデオ監視システムなどの音質を向上させることが可能だと同社では説明している。

特に同社のデジタルMEMSマイクロフォンとの組み合わせにより、強力かつ柔軟性の高い音響サブシステムを実現できるという。デジタルMEMSマイクロフォンを複数使用する機器の能力を引き出し、ノイズ 低減、エコー・キャンセリングやビーム・フォーミングなどの機能を実現する他、システム設計の簡素化によるコスト低減や製品開発期間の短縮および最終製品の差別化、バッテリの長寿命化を実現できる。

また、マルチ・マイクロフォン・ズーミングなどの次世代オーディオ・アプリケーションにも対応するほか、使い易いプログラミング・ツールであるAP Workbenchがバンドルされている。

同製品ファミリは、メイン・アプリケーション・プロセッサから高い演算処理による負荷を取り除く、最適化された音響処理エンジンを内蔵している。音響処理エンジンは、個々のチャネル処理機能により、最大6個のMEMSデジタル・マイクロフォンからの入力を処理する。また、設定可能な10バンド・イコライザ、ピーク・リミッタ、ゲインおよび音量調整を備えた高品質かつ拡張性の高い機能がサポートされている。データは、デジタル(I2S)またはアナログ(PWM)インタフェースを通して出力される。

同製品ファミリの最初の製品である「STA321MPL」は、現在サンプル出荷中で、2012年第2四半期に量産を開始する予定。単価は1000個購入時の単価は約4ドルとなっている。

デジタル・オーディオ・プロセッサ「STA321MPL」の製品イメージ