ソニーは1月26日、同社が2007年に開発発表した共通鍵ブロック暗号アルゴリズム「CLEFIA (クレフィア)」が、ISO(国際標準化機構)/IEC(国際電気標準会議)での最終承認を経て、軽量暗号(Lightweight Cryptography)の国際標準規格「ISO/IEC 29192」のひとつとして採択されたと発表した。

「ISO/IEC 29192」は情報セキュリティ技術の国際標準化を行っているISO/IEC JTC 1/SC 27によって定められたもので、CLEFIAが同規格の要件を満たすことが認められて採択となった。

CLEFIAは、米国政府標準暗号であるAES (Advanced Encryption Standard)と同じインタフェースに対応し、ブロック長が128ビット、鍵長は128ビット / 192ビット / 256ビットから選択可能なブロック暗号。

最大の特長は、高い安全性を考慮した上で実現した実装効率。コンパクトな実装に適した一般化Feistel構造を採用し、演算量を低く抑えても安全性を確保できる「拡散行列切り替え法」や、データ処理部と鍵スケジュール部の部品の共通化などを行っている。ハードウェアとソフトウェアでの実装に同時に対応し、ハードウェア実装では高い回路効率を実現、ソフトウェア実装においてもCPUの種類によらず高速な実行が可能となっている。

この高い実装効率により、リソースが限られた機器や省電力性が求められる機器においても高い性能を発揮することが可能となっており、スマートカードやRFIDタグ、センサーネットワーク、医療機器などでの利用にも適したものとなっている。

CLEFIA Webサイト

なお、「CLEFIA (クレフィア)」の名称は、「鍵」を意味するフランス語「Clef」に由来する。