EMCジャパンは1月26日、2012年の事業戦略に関するプレスセミナーを開催した。同セミナーでは、同社の代表取締役社長を務める山野修氏が事業戦略および注力分野について説明を行った。
同氏は2012年からの3年計画の柱が「顧客のITの変革やXaaSの構築を支援」「顧客にとってIT分野における"Trusted Advisor"となる」「今後3年間、2ケタ成長を続ける」であり、2012年の注力分野が「IT Transformation」「Trust(セキュリティ、GRC、災害対策)」「Big Data」と説明した。
同社がいう「XaaS」は「eXecution as a Service」の略であり、世間一般で言われているSaaS、PaaS、IaaSの総称ではない。
同氏は「XaaS」について、「当社が目指す"XaaS"とは、IT分野のサービスに限ったものではなく、ITを活用してビジネスをサービスとして提供するモデルを指す。現在、ネットショッピングやゲームなど、ネットワークを介して提供されるサービスが増えており、今後、日本でも広がるはず」と語った。
さまざまなサービスですでにIT化が行われているが、「部分的にすぎない」と同氏。実店舗を展開しながら進めているビジネスとITをつなぐことで、サービスの提供側は顧客対応や営業スタッフの業務において効率化を図ることが可能になるという。同社としては今後、この「XaaS」に対するアイデアを積極的に提案していく構えだ。
「IT Transformation」における注力項目としては、「コンサルティングサービスの強化」「Storage Management Service」が紹介された。具体的には、コンサルティング部門を100名規模に増強するとともに、海外では提供が始まっているStorage Management Serviceを国内でも提供開始する。
Storage Management Serviceとは、ストレージ装置は顧客の環境に置きながらも、管理はEMCと同社のパートナーが行い、顧客は従量課金制に基づき料金を支払うというサービスだ。同氏によると、同サービスはすでに展開されている地域では伸び始めているという。
「Trust」分野では、事業継続やセキュリティ対策に向けたソリューションを提供していくが、同氏は目新しいソリューションとして「災害回避(Disaster Avoidance)」ソリューションを挙げた。「米国では、台風や水害といった災害を回避するソリューションに対する注目が集まっている」と同氏。
同社に限らず、各社も2012年の重点項目と位置付けている「Big Data」についても、体制の強化を図る。「ビジネスアナリストはすでに存在するが、データを科学的な見地から分析する『データ・サイエンティスト』が日本にはほとんどいない。よって、その発掘と育成を行っていく」と、同氏は説明する。詳細は近日発表予定だが、データ・サイエンティストに関する認定制度を開設することが明かされた。